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察人姫-第壱話-

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「犯行時間に鍵。色々と面倒だな。とりあえず被害に遭った部活と被害に遭わなかった部活の違いを探す方向で行くか……つってもあまり意味はなさそうだな」
「そうですね。被害を受けた部活も受けなかった部活もそれぞれ三十近くありますから、犯人への手がかりは掴めそうにないです」
「予想してたが、やっぱり地道に聞き込みから犯人を絞りだすしかないか」
「生徒会も手伝いますよ。まずはどこから聞き込みをしましょうか?」
 近隣学校やライバル校の先生・生徒・その家族や、退学・退部した生徒・家族など保澄学園の部活や保澄学園自体に恨みや敵意のあるものがまずアタルによってユーイチの手帳にリストアップされる。
 保澄学園のセキュリティは他の学校より高いレベルを持つことから計画的な犯行で、壊されただけで盗まれたものはないということは物取りではなく恨みを持つ者による犯行だということがアタルの推測だ。
「ふ、ふ、ふ……大事な項目を忘れているよ、アタル」
「……なにを?」
 憎たらしい笑みを浮かべて話に割ってくるソラにアタルは先程とは違い、無視することなく続きを促す。
 こういう時のソラは切れる。頼りになることを二人は知っていた。
「保澄学園の生徒、及び先生・OBさ」
「ああ、そうだな……」
 なんとも言えないといった様子のアタルに代わって、それも候補に入れなくてはと思っていたユーイチはため息を吐いてから手帳の最下段に書き込むが、突然ソラがユーイチのペンケースから蛍光ペンを取りだし、その項目に二重線を引く。
「おい、ソラ……?」
「調査の優先順位はこの学校からにしようよ、なにより私はこの事件……外部犯によるものじゃないと思うの」



作品名:察人姫-第壱話- 作家名:朝朽 司