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男と女のファンタジー 『変若水』 (おちみず)

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「私はイケナイお姫様なの、だからいいのよ、ジュン。 
今宵ジュンに抱かれたら、もっと艶(つや)やかになれそうだから …  

こうして私の命は延びていくのよ」

アイはこんなことを囁きながら、ジュンの鍛えられた胸に撓垂(しなだ)れ掛かってきた。

「そうなんですか」
ジュンはまだ躊躇している。

アイは、そんなジュンに痺れを切らしたのか、いきなりジュンの手を取った。
そして自分の胸の膨らみへと、その手を持っていく。

プリンとした弾力のある乳房。
ジュンは、そんなアイのふくよかな膨らみに触れ、どぎまぎしている。

肌触りはきめ細やかで滑らか。
しかし、僅かな湿りがある。

そのせいか、指の先が吸い付くようでもある。
きわめて不思議な感触。

木こりのジュンは、これはキノコのようなものかなとも一瞬思った。
しかし、これほどまでに奇妙な気持ちにしてくれるものは森にはない。

現実に、森で手にしたこともないし、触れたこともない。
なにかアイの乳房が、自分のかけがえのないお宝のように思えてきた。

そして欲情が徐々に高まり、もう止まらなくなってきた。
ジュンは恐々(こわごわ)ではあったが、アイを自分の厚い胸に力を込めて抱き込んだ。

女の匂いがする。
そんな悩殺的な香りも森にはない。

ジュンにとって、これらすべてが初めてのものだった。

アイは目を閉じ、ジュンの次の行動をじっと待っている。
しかしジュンは、この後どう振る舞って良いものかがわからない。

そして遂に、本能の赴くままに、まずは幼い時に母にしたように、そっと唇に乳首を含ませた。