小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

男と女のファンタジー 『変若水』 (おちみず)

INDEX|21ページ/22ページ|

次のページ前のページ
 

アイは、泉のほとりにジュンを葬った。 
そして、小さな一本の墓標を建てた。

「私はイケナイお姫様よ、だけどジュンを想い零した一粒の涙で、幸運にもこの森の泉を変若水の泉に変えることができたわ。

これを飲み続けていさえすれば、幾千万年、永遠の若い命を手に入れたことになるのよね。

だから約束した通り、ずっとずっとジュンのそばにいてあげる」

アイの覚悟はもう決まっていた。
そして、最後の言葉を墓標に語った。

「ジュン、私、現世よりも・・・この青い泉の中で生きて行くわ。 

変若水に全身を預けてしまった方が・・・・・・絶体に確実でしょ。

だって、いつまでも瑞々しいお肌で、もっともっと若々しくって・・・ 
ジュンのために、綺麗でいられそうだもの」

その後、アイは森の泉、その青々とした変若水の中へとゆっくり入っていった。

そして、その泉の底深く、
いつまでも若くて美しくありたいと願う一途な欲で、自らの身を沈めていくのだった。