小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

男と女のファンタジー 『変若水』 (おちみず)

INDEX|22ページ/22ページ|

前のページ
 

今も森の奥深くに、清澄(せいちょう)な青い泉がある。

それはいつも、こんこんと湧き出る清冽(せいれつ)な清水を、満々と湛えている。
そして辺り一帯は静まりかえり、何か神懸かり的な雰囲気さえある。

そんな泉のほとりに、一本の墓標が建っていると言う。

森の夜は早く更(ふ)けていく。
月光の柔らかな輝きが、泉を仄かに浮き上がらせる。
そして、奥深い森の遙か向こうから、その森の静寂を破り、狼の遠吠えが聞こえてくる。

そんな真夜中になると、森の青い泉から肌の艶やかな美しい姫が現れて、その墓標に巻き付いていると言う。

そして、こんな囁きが聞こえてくると言うのだ。

「ねえ、ジュン、5つの欲の最後の欲、その睡眠欲に負けてしまったのよね。
だけど、もうそろそろ目を醒まして頂戴。

私達・・・ジュン・アイ(純愛)だけど、

あの一夜の愛欲の絡まりのように・・・激しく、
そして淫靡に、私を抱いて。

だって、私、目一杯に ・・・ 変若(おち)てしまったのよ」


                            おわり