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運動場(1/26編集)

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 放課後、カバンを肩にぶら提げて帰ろうとした時に、ふと、彼女の存在が意識の敷居を跨いだ。
 いつもは、どうしても忘れてしまうのだ。普段あんなにも気にしてるってのに。
 家に帰ってしばらくすると、忘れていたことに気が付くのだ。誰かに暗示でもかけられてるような気がしてならないといつも思う。しかし今日はいつもと違う。
 今日こそはその正体を見定めてやろうと思って、運動場の方向へと歩き出す。
 どうしたんだと聞かれたので、そのまま言いかけたが、相手はあのメンバーだ。自分達が認める正しさ以外はなかなか信じないような連中が、こんな浮世離れした話を真に受けるとは到底思わない。頭おかしくなったんじゃねぇのとか、笑い飛ばすに決まっている(特にあのSM女!)。
 それに、彼女はなんとなく静かな場所を好みそうだったから、きっとあの場所の空気を乱すのは悪い気がした。教室に忘れ物をしてきたと適当に言って別れた。
作品名:運動場(1/26編集) 作家名:狂言巡