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結ばれて

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私は、娘に留守番を頼み、家の前に停められた因縁の車の横のスライドドアを
開け、愛する妻を連れて、外科病院へ向かった。
心配し、何度もルームミラーで妻の様子を窺う。
妻の顔は、何を考えているのか想像もつかないほど無表情だ。

病院に着いた。待合室には二人居た。
妻は窓口に診察券を出しに行こうとする。
(おい待て。私が居るんだぞ。頼りにしてくれ)
「ソファーに座っていろよ。手続きしてやるから」
してやる…と言った言葉にチラ見した妻だったが、従ってくれた。

程なくして、呼ばれ診察室へ消えていった愛する妻。
まあ、私が居ても仕方あるまい。きっと妻なら言うだろう。
「出かけていいよ。帰れるから」と。
私は窓口で(治療後ここで待つように)伝言を頼んで仕事の準備を整えに
家へと戻ることにした。
帰り道、気に入って購入した車だったが、恨めしかった。

作品名:結ばれて 作家名:甜茶