白の枯れ園と揺れる僕ら。
掃除の次の仕事、それはお茶(またはスポーツドリンク)を入れること。
スポーツドリンクの粉は極力使わないようにしてる。
極力試合の前日に使いたいから。
ということで、ジャグにお茶入れないと・・・。
スポーツドリンクの粉末、なんかやたら減ってるんだよなぁ。
まぁ、なんでかはわかるんですけど。
西篠先輩、平然と自分の水筒に入れないでくれますか?あーぁ。最後の一袋が・・・。
部費で買ってるのに、買出し私が行ってるのにぃ・・。
あそこまで正々堂々だと、もはやジャグに入れるのが申し訳なくなってくるんだよなぁ。
しょうがないので一袋48パック入り198円安売りがウリのスーパーの麦茶パックを投入。
たまに大袋の中とかその付近からゴキブリが出てくるのは内緒です。
西篠先輩かぁ・・・。
クセッ毛なのかふわふわした髪はなんとなーく迅に似ていて。
目はつり目で沖名先輩曰く
「根性悪くて、たち悪い狐の顔」といってるけど
パッと見、というか初対面だったり関係が薄いと
「人がよさそーな人」なんだけどなぁ。
ボーっと見ていて少し溜め息。
今、女子の先輩がいたらいじられてる時だけど・・・。
そう、こんなことになったのは3ヶ月前、
相思花の赤が庭園から消えようとしていた頃、
藤袴が桜餅のような香りで庭園を満たし始めていた頃だった。
「夏季県下優秀中学校招待試合」という
私の学校に何の縁も縁も(えんもゆかりも)なさそうな試合で
無論惨敗したときのことだった。
沖名先輩が(珍しく)神妙な顔をして
「清尾ちゃん。」
なんて改まっていうものだから何かと思ったら
「好きな人誰?」
「ごふっ。(おにぎりが詰まる音)」
この反応=図星と思われたようで。
「え!?誰?」
「まじでー。だれ??」
横井先輩とロブスターも乗ってきたよ
なんでだ。でも多井先輩ならやんわり否定してくれるはず!
「彼氏だれ?」
「多井先輩ぃいぃぃぃぃっぃいいいい!!
どーしましたッ、いつもそんなキャラじゃないのに!!」
試合での惨敗でキャラ崩壊した――――――!
「あー、もう。言いますよ。言えばいいんですよね。私の知ってる多井先輩戻ってこーい!!」
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作品名:白の枯れ園と揺れる僕ら。 作家名:成瀬 桜