小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

森と少女~forest

INDEX|13ページ/13ページ|

前のページ
 

エンディング


 明転。
ピアノの前にいるアリス。周囲を見回して、ウサギのぬいぐるみを見つける。ぬいぐるみのところまで歩いていき、

アリス「……ただいま」

 一度ぬいぐるみに話しかけると、ドアの方まで歩いていく。ゆっくりとノブに手をかける。小さく震えているアリス。ノブに手をかけても、なかなか明けられない。
 照明暗く。舞台右側に雨女と雨男が現れる(これ以降、森の住民達の登場は、暗かったところにピンスポを当てて、突然現れたようにしていただけると嬉しいです)

雨男 「晴れの日も雨の日も、辛いことはたくさんあります。だからこそ、どんなときでも明るく歌ってみせるのですよ」
雨女 「お日様が照っていても雨が降っていても、アリス、あなたが楽しいことをしようと決めたのなら。きっと素敵なことがたくさん起きるわ」

 雨女、雨男退場(ピンスポを消していただけると嬉しいです)。闇の支配者、舞台左側に登場。

支配者「その扉の向こうには、君の知らない人達が住んでいる。だけど怖がることはない。彼らはただ、住んでいるところが、考えていることが、信じているものが、ほんの少し違うだけなんだ」

 闇の支配者退場。警備隊の隊長、舞台右手側に登場。

隊長「(仏頂面で)扉を抜ければ、そこはもうおまえの知らない世界だ。どこにでも、いつでも、安らかに眠れるベッドがあるわけじゃない。だがまあ(笑って)応援している。頑張れよ」

 隊長退場。ゼンマイ仕掛けのバレリーナ登場、舞台左手側に登場。

バレリーナ「最初から、自分にはできないと決めつけて、諦めないで下さい。失敗したらやり直せばいいんです」

 バレリーナ退場。イモムシ、舞台右手側に登場。

イモムシ「優しさに甘えるなよ。誰かの優しさに寄りかかるか、それとも自分が誰かに優しくするか、選ぶのはおまえなんだぜ」

 イモムシ退場。
 ウサギのぬいぐるみが置いてあったところに、ウサギ登場。ピアノの前にピアニスト登場。ピアノを鳴らしている。

ウサギ「アリス」
ウサギ「(泣きそうな顔で)ウサギさん」
ウサギ「大丈夫だよ、アリス。たくさんのことを学んで成長したアリスなら、どんなことがあっても負けたりしない(扉の方を見て)行ってらっしゃい、アリス」

 アリス、無言で頷いて。改めてドアの前に立ち、ノブを握る。
 暗転。

アリス「ありがとう、みんな……行ってきます」

 ドアを開ける音。

 終了。
作品名:森と少女~forest 作家名:名寄椋司