俺とみこの日常 6話
バタバタバタ!!
階段を、激しく下りてくる声が聞こえる。
『蒼大は+20分ね〜』
説教タイムだろうか。
「まてぃ!!蒼大!!」
『涼くんは後で土下座ね』
パパは2日連続土下座。しかも、大晦日と正月。世界広しと言えど、そういないだろう。
ガチャ!
誰か入ってくる。100歳くらいのお爺さんだ。
「階段、疲れた…」
そう言ってよろめく。…まさか。
「あの野郎、ジジイにしやがって…ゲホッ、ゲホッ。あー腰痛…」
あたしの想像通り。そーくんだった。
「そーくん、大丈夫……?」
「え?なんだって?」
耳が遠くなってる。
「…みこ?……お前、みこか?」
視力も落ちてる。
「菜緒ちゃん!!実験成功したよ!!!」
パパの嬉しそうな騒がしい声に、ママは静かに、
「わかったわ」
と返事をする。そのそっけなさに、
「あれ?嬉しくないの?」
パパが疑問を抱く。
いつもなら、大喜びしてるはずなのに。と。
「嬉しいのは嬉しいけど…」
「けど?」
あ、説教タイム突入するかな?
「涼くん、ちょっとうるさすぎじゃない?」
ママが、ドスの聞いた声で言う。
説教タイム突入。
(省略)
「蒼大もいつまで寝てるの!早く来なさい!!」
パパを一通り起こった後、ママがそう言う。
「でも、今そーくんはお爺さんに…」
ママ&パパが同時にため息をつく。
パ:「みこなら気付いてる、って思ってたのに…」
え?どういう事?
マ:「薬」
え?……あ、そう言う事か。
16歳の薬を飲ませれば元に戻るってわけね。それを見越した上での老人化か。
そうと分かれば飲ませないと。
作品名:俺とみこの日常 6話 作家名:ざぶ