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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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OATH~未来につなぐシルベ~第一章(第5話・第6話)

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■レイナの過去その2(後半) 築城都市マノーラ(9年前) 公園<シーンNo.5-9>

 ベンチに座っているルリとレイナに、前の方に立って背中で語るソヴェット。

ソヴェット「・・・・・・『彼女』の言葉と繋いでくれたこの命のために、オレは戦っているんだ。どんな小さな事でも、人々の幸せのために命を燃やして事を成すこと・・・・・・それがオレの『信念』ってやつさ・・・・・・『彼女』が好きだったこの世界―ペシィミズム地方の平和のために・・・・・・」
 レイナ「ソヴェット・・・・・・」
  ルリ「・・・・・・」

 二人は男の背中の真剣に見つめる。
 ソヴェット、気さくな感じで二人の方へ顔を向ける。

ソヴェット「(髪をかきながら)ははは・・・・・・わりぃな。辛気臭い話をして・・・・・・」
  ルリ「ううん・・・・・・ありがとうございます。だから、ソヴェットさんって心が強いんですね」
ソヴェット「いやいや、オレもまだまだだぜ」
  ルリ「いいえ。十分お強いですよ。アタシも心の中にある『信念』を改めて見つめ直さなきゃと感じました。明確にして、貫かないと・・・・・・この仕事は全うできませんしね」
ソヴェット「ああ。オレが思うジャスティスと言う組織はまさにそうだと思う。ルリもしっかり貫けよ。人の為に・・・・・・」
  ルリ「はい!」

 レイナ、顔を下に向いて、

 レイナ「・・・・・・だったら」
ソヴェット「(レイナを見ながら)ん?どうした、レイナ?」

 顔をソヴェットの方へ向けて涙をこぼしながら、

 レイナ「だったら、あまり無茶なことはしないって約束して、ソヴェット!!」
ソヴェット「え?」
 レイナ「(ソヴェットを見つめながら)確かに自分を曲げずに人の為に生きていくことは、すごいと思うわ。でも、自分が勝手に死んだら、貴方の想っている人たちの気持ちはどうなるの?一人で死ぬような真似はしないでよ・・・・・・ジャスティスの皆は、貴方に無茶してもらうほど弱くはないはずよ!頼れる『仲間』に頼ってよ!」
ソヴェット「・・・・・・」
レイナ「(泣きながら)・・・・・・だから約束して。『彼女』のためにも、無茶なことはしないって・・・・・・」ソヴェット「・・・・・・レイナ」
  ルリ「(レイナを見ながら)レイちゃん・・・・・・」
ソヴェット「・・・・・・レイナ」

 レイナは顔を下に向け、俯(うつむ)く。
 ソヴェットは、レイナの頭をそっとなでる。

ソヴェット「そうだな・・・・・・レイナ、おまえの言う通りだな。自分の気持ちばかり、他人に押しつけて、オレを想っている者たちのことを考えていなかったな・・・・・・もっと、仲間を信頼しないとな、オレも」
 レイナ「・・・・・・」
ソヴェット「約束するよ、レイナ。これからは、あまり無茶はしない。『彼女』の分まで、生き続けるためにも・・・・・・」

 レイナ、ソヴェットに抱きつく。

 レイナ「約束だよ」
ソヴェット「・・・・・・ああ」

 ソヴェット、微笑む。

※このシーンのまま、今(17歳)のレイナが語りだす。

 レイナ(声のみ)「ずっと側にいてほしいから、彼にこんな事を言ったんだと思う。いつまでも『彼女』のことをずっと思っているように、わたしの事もずっと見てほしいという、『彼女』への嫉妬心から・・・・・・」

※画面が暗くなる。その中で、今(17歳)のレイナが語りだす。

 レイナ(声のみ)「そして彼は、わたしとの約束を胸に、守るべきものを守っていった。そして、仕事が終われば笑いあう楽しい日々が続いた。こんな日々がずっと続けばと思った。しかし・・・・・・二年後に悲劇が起きた。父さんの政治のやり方が良くないと思っている連中―過激派による『マノーラ襲撃事件』により・・・・・・」

 ※『レイナの過去その3』へと進む。

■レイナの過去その3 築城都市マノーラ(7年前(グレイン暦2003年)) 中央区<シーンNo.5-10>

 襲撃事件が起こり、過激派が街を大混乱にさせている。
 彼らは、街の外へと逃げる人々を銃で撃ち殺したり、建物を焼いたりと、やりたい放題していた。まるで、この街をなかったことにしようとするかのように。
 そんな彼らにアフロディテの軍人が果敢に応戦している。そのなかにはジャスティスの団員もいた。

ソヴェット(当時30歳)「ふん!!」

 豪快に過激派を殴り倒す、ソヴェット。

ソヴェット「(叫ぶように)みんな!軍と協力して過激派を倒しながら、市民を避難場所へ誘導させるんだ!」
ジャスティス団員たち「はい!」

 過激派を倒しながら、人々を導く団員。
 ルリも結晶術で過激派を倒し、市民を避難所へ導く。

ルリ(当時23歳)「こっちです、さあ!」

 避難所へと案内するルリ。

※画面が一瞬、暗くなる。

 やがて、過激派を取り抑え、全ての市民を避難させる軍とジャスティス。

ソヴェット「ふう・・・・・・街も静かになったな」
  ルリ「はい・・・・・・これでもう街は大丈・・・・・・」
???(レイナ(声のみ))「は、離してよ!」
ソヴェット・ルリ「!!」

 声のほうへと顔を向ける二人。
 レイナが過激派に抱えられ、捕まっている。
 過激派の面々は7人ほどいる。

ソヴェット「(怒鳴ったように)レイナ!なんで、勝手に外へ出てんだよ!!」
 レイナ(当時10歳)「(泣きそうな表情で)だ、だって・・・・・・みんなが心配で・・・・・・」
  ルリ「今、助けるわ!」

 ルリが魔法棍棒を持って、詠唱したそのとき、

過激派A「おっと、動いたらコイツの命はないぜ」

 ルリのほっぺに銃を向ける、過激派。

 レイナ「ひゃあ!」
ソヴェット「くっ!卑怯だぞ・・・・・・」
ルリとソヴェット、苦々しい表情で過激派の連中を見つめる。

過激派B「さあ、こいつが殺される前にとっとと市長をこっちによこしな!」
ソヴェット「くっ!どうすれば・・・・・・」

 右の後ろポケットに手を入れるソヴェット。

ソヴェット「!」

 ソヴェット、何かがあることに気づく。

ソヴェット(そういえば、軍から・・・・・・)
  ルリ「・・・・・・ソヴェットさん、どうしますか?」
ソヴェット「フフフ・・・・・・」
  ルリ「え?」
ソヴェット「ハーハッハッハッハッ」

 突然高笑いをするソヴェット。

過激派A「なっ、なにがおかしい!」
ソヴェット「ふっ。やっぱり、運が向いているのはオレたちの方みたいだな」
過激派B「なっ、なにぃ?」
ソヴェット「レイナ!今、助けてやる!これでも、くらえーっ!!」

 ソヴェット、右ポケットにあった丸いものを過激派たちのいる方向へ投げる!
 すると、丸いものは空中で閃光のように爆発し、周りが白い煙に包まれる。

過激派たち「うわああああ!」

 白い煙のなかにいる過激派たちは、光を直視したおかげで目を瞑り、周りが見えなくなる。

 レイナ「ケホッケホッ!」

 白い煙を吸い、レイナは過激派に抱えながら咳き込む。

ソヴェット(声のみ)「レイナーっ!」

 ソヴェットがレイナの前に現れる。

レイナ「ソヴェット!」
ソヴェット「待ってろ、今助ける!」