小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

OATH~未来につなぐシルベ~第一章(第5話・第6話)

INDEX|3ページ/9ページ|

次のページ前のページ
 

レイナ(声のみ)「彼は、市民の為にめまぐるしい活躍をしていた。人のために力を奮(ふる)うその姿から『魂を燃やす者(バーニングソウル)』という肩書きで親しまれるようになり、そんな彼の影響から、わたしはルリさんを始めとした、他の団員とも少しずつ話せるようになった。そんな太陽のような彼に、どうして人のために『強い存在』になろうとしているのだろうと、そんな彼に疑問をもつようになった・・・・・・」

※『レイナの過去その2(前半)』のイベントに進む。

■レイナの過去その2(前半) 築城都市マノーラ(9年前) 公園<シーンNo.5-6>

 街はずれにある公園のベンチに座っているレイナとルリ。(ルリは正面から見て右端、その左隣にレイナが座っている)

ソヴェット(声のみ)「レイナーっ、ルリーっ!!」

 ソヴェット、アイスを持ってレイナとルリの下へと来る。

ソヴェット「ほれ!」

 ルリに渡すソヴェット。

  ルリ「ありがとうございます!」
ソヴェット「レイナ、ほれっ」

 レイナにアイスを差し出すソヴェット。

 レイナ「うん・・・・・・ありがとう・・・・・・」

 ソヴェットもベンチに座り、三人そろってアイスを食べる。

  ルリ「う~ん、最高~」
ソヴェット「かーっ、この暑い時期の冷たいアイスはうまいなぁ」
 レイナ「(ソヴェットを見ながら)うん!おいしーっ!」
ソヴェット「こんなふうに、小さな幸せが世界中に溢れたら良いんだけどなぁ~あ、そしたら俺たちの仕事がなくなっちまうなぁ~ははは」
  ルリ「ソヴェットさんったら・・・・・・プライベートでも仕事のことばかり考えているんですかぁ~」
ソヴェット「そうだな。まあ、一種の職業病ってやつだな、こりゃあ」
  ルリ「もう。プライベートぐらい、リセットしないといけませんよ~」
ソヴェット「ははは、全くだ」

 ソヴェット、笑いながらアイスを食べる。

 レイナ「・・・・・・」

 難しそうな顔をしながらアイスを食べるレイナ。

ソヴェット「(レイナを見ながら)ん?どうしたレイナ、そんな難しそうな顔をして・・・・・・」

 レイナ、自分の表情を見られたくないかのように、顔を下に向けながら、

 レイナ「ねぇ、ソヴェット・・・・・・一つ聞いてもいい?ずっと分からないことがあるの・・・・・・」
ソヴェット「おう、いいぞ。オレが答えられる事ならな」
レイナ「・・・・・・ソヴェットって、なんで人の為に、ヒーローみたいな存在になろうとしているの?いつも困っている人に全力でぶつかって、力になろうとするから・・・・・・何かきっかけがあるのかなと思って・・・・・・」
ソヴェット「(真剣な表情で)・・・・・・」

 ルリ、考え込みながら、

  ルリ「う~ん、確かにそうだね。最後まで諦めずに解決する―その性分は、すごい尊敬しますけど・・・・・・ソヴェットさんって、自分を顧みずになんとかしようしますよね。無理にする必要のないところまで・・・・・・」
 レイナ「(ルリを見ながら)そう。自分だけ傷ついてなんとかしようとするから、不思議に思ったの」

 ソヴェット、顔を下に向け目を瞑りながら、

ソヴェット「・・・・・・確かに、自分を顧みずに行動することは、オレの欠点ではあるな。でも、こうしないとオレはオレでなくなるかもしれないんだ」
 レイナ「え?どういうこと・・・・・・?」
ソヴェット「う~ん、どっから話せばいいのかねぇ~オレがここで仕事をして、生きがいを感じているのも『彼女』のおかげなんだ・・・・・・」
  ルリ「『彼女』?」
ソヴェット「ああ」

 ソヴェット、ベンチから離れ、少し前の方に立つ。
 空を見上げながら、レイナとルリに背中で語るように、

ソヴェット「(空を見上げながら)・・・・・・もう12年くらい前のことだな・・・・・・俺がまだ幼かった頃だ」

 ※画面が暗くなり、『レイナの過去その2(中盤)(ソヴェットの過去イベント)』へ進む。

■レイナの過去その2(中盤) ソヴェットの過去(12年前(グレイン暦1989年)) 音楽の国アポロン 首都シャーレイ<シーンNo.5-7>

 ※座り込んで、やさぐれているソヴェット(16歳)を一枚の絵で表現

ソヴェット(声のみ)「実はオレ、不良だったんだ。戦争で両親を亡くし、生きる希望を見出せずにいたオレは、音楽で有名なアポロン国の首都シャーレイで、チンピラどもと常にケンカの毎日を過ごしていたんだ」

 ※路上で気を失っているソヴェットを見つめる女性を一枚の絵で表現。

ソヴェット(声のみ)「そんな日々を過ごしていたオレはある日、不良グループの一人を殴ったことが原因で、その集団を1人で相手をしていたんだ。まぁ、オレ一人じゃあ成す術もなく、コテンパンにやられて気を失ってしまったんだけどな。そんなオレを『彼女』は自分の家に匿ってくれたんだ」

 ※ベッドで起き上がっているソヴェット。その左隣には、看病している『彼女』を一枚の絵 で表現。

ソヴェット(声のみ)「目が覚めたら彼女の家にオレはいた。彼女はこんな厳ついて、やさぐれているオレに全く動じず、微笑んでいた。俺は、こんな彼女の分け隔てない優しさに惹かれ、いつしか二人で暮らすようになった。貧しかったけど、その生活には幸せが溢れていた。・・・・・・しかし、悲劇が起こった・・・・・・11年前にあった、あの覇権戦争によって・・・・・・」
 
■レイナの過去その2(中盤) ソヴェットの過去(11年前(グレイン暦1989年)) 音楽の国アポロン 首都シャーレイ<シーンNo.5-8>

 ※戦争でアテナ兵から必死に逃げるソヴェットを一枚の絵で表現。

ソヴェット(声のみ)「北にあるアテナ国の軍と戦争していたアポロン国は、アテナ軍の驚異的な兵器になす術もなく追い詰められ、ついに首都シャーレイへと軍が攻め込んできた。何の罪もない人々が戦争のために次々と殺されていった。オレはそんな軍から『彼女』と一緒に逃げたんだが・・・・・」

 ※壁と軍に挟まれ、追い詰められたソヴェットと『彼女』を一枚の絵で表現。

ソヴェット(声のみ)「軍に見つかり、街にある小さな空き地に追いつめられてしまった。銃を向ける兵に激しい憎悪の念を抱きながら、オレは兵に撃たれた・・・・・・撃たれたと思ったが・・・・・・」

 ※泣きながら血まみれの『彼女』を抱えながら見つめるソヴェットを一枚の絵で表現。

ソヴェット(声のみ)「『彼女』がオレを庇ってくれたんだ・・・・・・俺は『彼女』のおかげで、奇跡的にかすり傷程度で済んだ。そして、死に際に彼女はこう言ったんだ・・・・・・『今もこの先もきっと、たくさん苦しむ人々が出てくるはず・・・・・・その人たちの幸せのために・・・・・・戦って・・・・・・あたしの好きな世界のために・・・・・・』と・・・・・・」

 ※そのまま『レイナの過去その2(後半)』へ進む。