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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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OATH~未来につなぐシルベ~第一章(第5話・第6話)

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リディア「そう!今ははぐれているけど、あたしの仲間のフェイ―フェレルやあんたの友人である、団員のルリさん・・・・・・みんな、心配してここまで来たのよ!」
 レイナ「る、ルリさんまで・・・・・・」

 顔を下に向けるレイナ。
 そんな彼女をリディアは腰に手を当てながら、

リディア「(憎まれ口を叩くように)あんたの一人の行動が、周りに迷惑かけていることを、ちゃんと分かってよね!まったく!」
 レイナ「(俯(うつむ)きながら)ご、ごめんなさい・・・・・・」

 素直にあやまるレイナに対し、

リディア「・・・・・・あ、謝ってくれるなら・・・・・・それで、いいけど・・・・・・」

 リディア、彼女が素直に謝るので、拍子抜けする。

 レイナ「(俯いたまま)・・・・・・」
リディア「(レイナを見ながら)・・・・・・」

リディア、勇気を出してあの事に触れる。

リディア「ねぇ、レイナ。・・・・・・聞いてもいい?」
 レイナ「(リディアを見ながら)え?な、なにを・・・・・・ですか?」
リディア「えっとね・・・・・・ルリさんから聞いたんだ・・・・・・七年前にあった襲撃事件やソヴェットさんのこと・・・・・・あんたとソヴェットさん、そしてルリさんはどういう関係なのか知りたくて・・・・・・」
 レイナ「(俯(うつむ)いて冷ややかな口調で)そんな話・・・・・・聞いてどうするんですか?あざ笑うだけでしょう?」
リディア「バカ!!そんなひどいことしないわよ!!あたしは、あんたがなんでここまでの行動をするのかを聞きたいの!!それには、この話を聞くしか・・・・・・ないでしょ・・・・・・」
 レイナ「でも、こんな話をしたところで信用・・・・・・」
リディア「するわよ!!あたしは、あんたのことを差別したりしないんだから、絶対に!!だからお願い、あたしを信じて!!」

 リディアのまっすぐな瞳を見つめるレイナ。
 その眩しすぎるくらいの光を放つ瞳にレイナ、揺さぶられる。

レイナ「・・・・・・えっとですね・・・・・・どこから話せばいいんだろう。やっぱり、ソヴェットさんとの出会いからかな・・・・・・?確か、九年前・・・・・・病気でお母さんが亡くなって、わたしが憔悴(しょうすい)していた時に・・・・・・」

 ※このまま画面が暗くなる。そして、このままレイナの過去イベントへ移る。

■レイナの過去その1(前半) 築城都市マノーラ(9年前(グレイン暦2001年)) 市政運営所2階 民衆自警集団ジャスティス マノーラ支部 支部長室<シーンNo.5-4>

 九年前のジャスティス マノーラ支部。
 支部長室では、着任式が執り行われていた。
 支部長の隣には、母を亡くして悲しみ暮れていたレイナ(当時8歳)がいる。
 そして、支部長の前には、髪が長く、厳つい顔をした大男と、凛としているが少々幼さが残っている女性が立っている。

バーク(当時36歳)「・・・・・・以上、今日をもってソヴェット・ゲシュオス、ルリ・アルブレスをマノーラ支部に配属することを任命する」
ソヴェット(当時28歳)「(ルリと同時に)はっ!」
ルリ(当時21歳)「(ソヴェットと同時に)はっ!」
バーク「(ソヴェットを見つめながら)ソヴェット、期待しているぞ。特務団員の資格を持ったその実力、大いに発揮してくれ」
ソヴェット「了解っす。この手で多くの市民を守れるのなら・・・・・・オレは、どこへでも駆け抜けますよ!」
バーク「うむ。頼むぞ」

 バーク、微笑む。
 そして、ルリが目を輝かせながらソヴェットに話しかける。

ルリ「(ソヴェットを見ながら)ソヴェットさん!ここで一緒に働けるなんて光栄です。ご指導、よろしくお願いします」
ソヴェット「(気さくな感じで)ハハハ・・・・・・オレはまだまだ人に教えられるようなタマじゃないよ。でも、まあ、これから同じ支部で働くことになるんだ、互いに実力を高め合っていこうぜ。よろしく」

 ルリ、一礼しながら、

ルリ「はい!よろしくお願いします!!」

 ルリも微笑む。
 その傍ら、ソヴェットはバークの隣で、悲しそうな表情をしている少女―レイナ(当時8歳)の方を見つめる。
 レイナ、ソヴェットの顔を見つめると、厳つい顔からびっくりして下を向く。

ソヴェット(あらら・・・・・・)

 ソヴェット、長い髪をかく。

※画面が暗くなり、イベントの場所が変わる。

■レイナの過去その1(後半) 築城都市マノーラ(9年前)市政運営所2階 民衆自警集団ジャスティス マノーラ支部 受付 <シーンNo.5-5>

 受付。
 受付の席でレイナがぽつんと座っている。

レイナ(当時8歳)「・・・・・・お母さん・・・・・・」
???(ソヴェット(声のみ))「・・・・・・お母さんがどうかしたか?」
レイナ「!」

 レイナ、後を振り向く。
 現れたのは、先ほど着任式を終えたあの大男―ソヴェット・ゲシュオスだった。

ソヴェット「確か、支部長の娘さんの、レイナ、だったか。式のときも暗い顔だったが・・・・・・一体、何があったんよ。ほら、話してみろよ。お前の想い、きちんと受け止めてやっからよ」

 率直に尋ねるソヴェット。
 レイナ、下を向いたまま、冷たい口調で、

レイナ「い、いやよ・・・・・・こんな話。初対面で何も知らない貴方に言っても、どうにもならないわよ!」

 ソヴェット、やれやれ、と言った感じで、

ソヴェット「ふぅ~冷たいねぇ~。まぁ、初対面相手にいきなり話せと言われても話せない事だし・・・・・・信用できないのも当然、か」

 ソヴェット、レイナを抱えて高く持ち上げる。

レイナ「わぁっ!ちょ、ちょっと!降ろしてよ!!」

 ソヴェット、レイナの拒否反応を無視して優しく、ぎゅっと抱きしめる。

レイナ「!」
ソヴェット「・・・・・・大丈夫だ。不器用なやり方でしか示すことができないけど、オレはおまえのことは何があっても信用すっから。絶対にだ。だから、信じてくれよ・・・・・・お前の思いは、ちゃんと受け止めてやっからよ」

 レイナ、厳つい顔に似合わないソヴェットの不器用だけど温かい、最大限の優しさに触れて涙があふれる。

 レイナ「う・・・・・・う・・・・・・わぁぁぁぁぁぁぁ」
ソヴェット「よしよし、顔を隠してやるから、たくさん泣いとけ・・・・・・スッキリするまで、な」
 レイナ「うわぁぁぁぁぁぁ~」

※このシーンのまま、今(17歳)のレイナが語りだす。

レイナ(声のみ)「この出会いがきっかけで、わたしは初めて両親以外の温かいぬくもりを知った。それまで『市長の娘』という目で市民から特別扱いされ、一人ぼっちだったそんなわたしを、彼は初めて同じ目線で見てくれた。それがわたしにとって、何よりも嬉しかった・・・・・・」

※画面が暗くなる。この中で今(17歳)のレイナが語りだす。