錯覚
過信
よくよく考えてみれば解る事でもあった。
芥川賞を受賞した作家でさえ、2作目までで消えて行く者が多いのだ。
サイトで人気があったとしても、蓮子の望みは大き過ぎたのだったかもしれない。
芸術は数学のように答えがはっきりしない、運動会のように優劣がはっきり分からない。
自分の作品は何か優れていると感じてしまっていた。
社交辞令のコメントかもしれないと、蓮子はやっと気が付いた。
趣味と考えるようになって初めて蓮子は自分の作品が好きになった気がした。
どんなコメントにも冷静になったような気がした。
作品が優れていれば、きっとどこかの出版社からお呼びがかかるとも感じた。