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笑ミステリー 『女王様からのミッション』

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 高見沢はこの「きっちりと手助け」がどういう意味なのかがわからない。しかし、卑弥呼女王はそんなことにはお構いなく、キリッとした表情で、今一度姿勢を正した。
「クラマ姫に助言を申し上げます。探しものを見つけ出してから、もう一度この邪馬台国へおいで下さい。お待ちしております」
 卑弥呼女王はいかにも冷酷に、そう言い切った。

「おいおいおい、ヒミコはん、俺が東京から苦労して連れ帰ってきた可愛いクラマさんだぜ。探しものを見つけ出してから、もう一度邪馬台国へ戻っておいでって、いきなりの門前払いかよ。そんなぁ〜!」
 高見沢は聞こえよがしに、こんな文句を言い放った。すると卑弥呼女王は、高見沢の方に向き直って優しく微笑み、諭すように仰るのだ。
「高見沢さん、クラマ姫のために、精一杯の尽力をして上げて下さいね」
「尽力って?」
 高見沢は具体的にそれがどういう意味なのかがわからない。

「そりゃ可愛いクラマさんのためなら、何でもさせてもらいますよ。で、その御指示の尽力って、どんな粉骨砕身をさせてもらったらよろしいのですか?」
 すると卑弥呼女王は「ふふふっ」と軽く笑って、一言。
「提灯(ちょうちん)持ちです」

「えっ! 提灯持ち? ちょっとお務めが……江戸時代過ぎませんか?」
 高見沢はこんな謎掛けのような話しで、一体何のことかさっぱりわからない。しかししばらく考え込んで、少し反抗気味に、「提灯持ちになれって、助言にあった『探しものを見つけ出す』ための水先案内人になれっていうことですか?」
「はい、その通りですよ」
 高見沢はこれでおよその所はぼんやりとわかってはきたが、肝心なことがわからない。そのためさらに突っ込んで質問をする。

「それで、何を探すために、水先案内をすれば良いのですか? はっきり教えて下さいよ」
 卑弥呼女王はこんな高見沢の食い下がりを受けてか、威厳のある顔立ちとなり、「それではクラマ姫と高見沢さんに、探しもののキーワードを申し上げましょう」と告げた。そしてクラマ姫を真正面に見据えて、空間全体に轟き渡る声で。それはそれは高らかに、音調のある一声。
『ウルティメート・ラブ!!』