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笑ミステリー 『女王様からのミッション』

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「その通りですよ、あなたは、鞍馬山台国(くらまやまたいこく)のプリンセスなのです」
 卑弥呼女王はいとも簡単にクラマの身分を明かしたのだった。
「そうなのですか、私が鞍馬山台国の姫、わかりました。だけどわからないのです、自分の意志に関わらず、先ほどのパーム・スコープや、パーム・コミュニケーションの行為が起こってしまっているのです。なにか本能のおもむくままのような感じがするのですが……、これは一体どういうことなのかを教えて頂けませんか」

 これを受けて、卑弥呼女王はまず最初に、「御安心下さい、クラマ姫のことは充分理解致しました」と告げた。そして一息おいて、姿勢を正し直し話す。
「まず我が邪馬台国ですが、一万年前に、邪馬台国の祖先はアンドロメダ銀河よりこの地球にやってきました。そして今から約一千八百年前に、第一代卑弥呼がこの祇園の地の地下に女王国を興したのです。古代から現在まで、いろいろな国々とアライアンスを結び、技術立国として今日まで生き抜いて参りました。お陰様で現在も繁栄しています」
「邪馬台国とは、そういう国だったのですね、御立派だわ」
 クラマは卑弥呼女王の話しに興味津々のようだ。

「その誇るべき我々太陽系外種の純血の証しは、グリーン・アイズなのですよ。御拝見通り、クラマ様もそのグリーン・アイズをお持ちですね。なぜなら、遠い昔、そう、邪馬台国と同じ一万年前、地球に降臨した鞍馬山台国の民族なのですよ。その美しい緑の瞳の輝きからして、明らかに鞍馬山台国の純血種であります。だからもう一度申し上げますが……、クラマ様こそが、お姫様なのです」
 こんな話しを横から聞いていた高見沢、もう黙ってられない。

「ヒャッホー! クラマちゃま、アンタ、お姫ちゃまだって、ウレチーのー!」
 バシッ! そんな高見沢に、マキコ・マネージャーの女の平手が飛んでくる。しかし、卑弥呼女王はこんな騒ぎに目もくれない。真剣なのだ。
「残念ながら、クラマ姫は我が邪馬台国民族ではありません。しかし運命共同体として、鞍馬で繁栄されてきた鞍馬山台国の民なのですよ。つまり貴女こそが、我々がずっと探し続けてきた麗しのプリンセスなのです」

 クラマはじっと黙って、卑弥呼女王の言葉を一つ一つ自分を納得させるように聞いている。
 女王はさらに続けて、「したがって、パーム・スコープやパーム・コミュニケーションはDNAに刻まれた伝来の技で、必要な時に、その行為が自然と出てくるのですよ。それを通じて、私が只今理解したクラマ姫、それによりますと、最近切ない気持ちで一杯だと思います。高見沢さんにきっちりと手助けをしてもらいますから、御安心して下さいね」