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笑ミステリー 『女王様からのミッション』

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「そうなのですよ。実はね、邪馬台国の民族は、地球種ではなく太陽系外種なの。約一万年程前にアンドロメダ銀河から、この祇園の地に移民して来たと聞いていますわ。だから元々から宇宙レベルで、地球種からは理解が及ばない能力を持つ神秘的な民族なのよ」
 またまたマキコ・マネージャーが神懸かったようなことを仰るではないか。さらに続けて、「その後、長い年月の間、随分と地球種と交配が繰り返されたわけですが、そのアンドロメダ銀河の血は貴重なの。その純血種が卑弥呼女王なのですよ」と。
「へ〜え、だけど地球種もアンドロメダ銀河の太陽系外種も、姿形は一緒じゃん。そんなの外から見て、どう見極めを付けるの?」
 高見沢はそんな疑問を投げ付けた。

「いえいえ、純血種に近いと、地球種とどこが特徴的に違うかと申しますと……、目の色素が異なるのですよ」
 まあとにかく奇妙な話しだ。高見沢にとって、それは興味のあることだったが、さらに思い付いたところを尋ねる。
「じゃあ、アフリカン・イブは、邪馬台国の人たちのお母さんの筋じゃないわけだね?」
「そうなのよ、よく御存知ね。だから高見沢様のミトコンドリアを調べてみたいと思います。高見沢様がアフリカのお母さんの筋じゃなくって、どの辺りまでアンドロメダ銀河の母親につながっているのか知りたいところですわ。とにかくDNA鑑定で、高見沢様が2の40乗内の近親であれば、最後の四つ目のお願いまでさせて頂きます」
 マキコ・マネージャーは先程までの熱弁講釈から発展させ、どんどんと話しを進めて行く。

「それじゃ三つ目のお願いは、何なの?」
 高見沢は恐る恐る聞いてみた。するとマキコ・マネージャーは突然キリッと背筋を伸ばし、「三つ目のお願いを謹んで申し上げます。あのね……」と少し言いにくそう。「何なんだよ?」と高見沢は突っ込んだ。
「実は……高見沢様の、高見沢様の……頂きたいのですが」
「だから、何をだよ?」

「魂を」
「うっ!」
 これには、さすがの高見沢も口から心臓が飛び出すほど驚いた。忘年会の酔いもいっぺんに醒めてしまった。
 しばらく二人は見合ったままの沈黙。そして、ようやく高見沢は声を発する。

「俺の魂ねえ、そりゃあ上げても良いけど、誰にあげるんだよ? マキちゃん、貴女の愛で絡め取ってくれるのだったら、充分OKだよ」
 魂を渡す、それはマキコ・マネージャーと激しい恋に落ちるということなのかも知れない。そんな妄想を勝手に膨らませ、高見沢は嬉しくなってきた。顔面にニヤケた笑みが零れる。
 そんな危ない高見沢と向き合い、マキコ・マネージャーはただただ「オホホホホ」と微笑んでいるだけ。まことに品が良いというか、色気のある女性だ。高見沢はオホホホホのマキコお姉が気に入った。