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笑ミステリー 『女王様からのミッション』

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「ふーん、そういうことも……、この宇宙の中にはあるもんなんだなあ」
 高見沢は半分だけ納得したかのように頷いた。その様子を見ていたマキコ・マネージャー、間髪入れずに、「歴史を振り返りますと」と勢い込んできたのだ。高見沢は「ちょっと、鬱陶(うっとう)しいなあ」と思いながら、耳を傾けざるを得ない。
「この祇園の地では、いろいろな事がございました。初代・卑弥呼女王がこの地に邪馬台国を開かれたわけですが、その後、飛鳥に勃発した新モンゴロイド系の騎馬民族の大和朝廷と何回かの戦いを交えました。しかし、大和朝廷とは決着がつかず、長い歳月の後に、その子孫たちは平城京・奈良に都をつくったのです」

 もうここまで話しが飛んでしまうと、高見沢は邪魔くさく、「ふんふん」と御高説を聞き流すだけだ。
 もううんざり。だが、マキコ・マネージャーはそんなことにはお構いなし。さらに話しに熱が入る。
「元々、邪馬台国は技術立国ですから、大和朝廷も我々を必要とし、不可侵平和条約を結んだのですよ。その後彼らは、近江京、平城京、長岡京、平安京と都を移したりしながら、共存共栄で我々とアライアンスを組み、この京都で一千年も都を続けたのです。その間、我々邪馬台国は、同時平行的に祇園の地下百メートルにある地下都市で発展して参りました」

高見沢は「お酒のお相手としては、語りが長過ぎるよなあ」とぶすっとしながら、ここは一つ質問をしないと失礼かなと殊勝に思う。「それで、今、邪馬台国の皆さんは、どうされているのですか?」と、とりあえず一発質問を飛ばしてみた。
「はい、時代の最先端を走るIT技術とバイオ、そしてナノテクで生きてます」
 マキコ・マネージャーからはこんなさらりとした返答が。
「ほー、それにしても、よく言ってくれたものだ」

 高見沢は言葉を詰まらせるが、マキコお姉さんはもう止まらない。
「特にデンス・ウェーブレンス・ディビジョン・マルチプレクシングの光通信技術と遺伝子工学の技術を世界中に売ってます。最近、開発完了したのが、量子コンピューターとDNAコンピューターです。これ、面白いですよ。複雑な課題処理にはもってこいで、概念的には、多くの課題を試験管にグチャグチャと入れて混ぜると、化学反応起こして解が一発に得られるようなものです」