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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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年賀状

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翌日、女性は胡蝶蘭を持って来たと妻が私に伝えた。
「こんな高価なものを受け取ったのか。名前は」
「あなたに世話になったと言ったが、大塚と言ったと思う」
その花は1ヶ月ほど咲いていた。
白い可憐な花はいつも『ありがとう』と言ってくれているようであった。
そして、翌年の年賀状の中に私の知らないものがあった。
私の名前があるので誤配ではなかった。
大塚の名前は忘れていた。
添え書きには「お世話になりました」と書いてあるだけであった。
翌年もそのはがきは届いた。
「あの時の御親切忘れられません」と添え書きには書かれてあった。
作品名:年賀状 作家名:吉葉ひろし