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脳内忘年会2011

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クソみたいな今年を振り返る



お「しかし、2011年は大変な年でしたよね。私は10歳でした
  が、よく覚えてますよ」
や「3月11日以前の今年の出来事なんて忘れちゃったよ」
山「あの日以来、テレビで『東日本大震災』という単語を聞かずに
  すむ日なんて無かったな」
や「あの地震が地震が発生したのは、オレがゲームを終えて、ぼん
  やりと国会中継を観ていたときだったな」
も「私は8歳だったから、あまり覚えてないけど、なんか『ものの
  け姫』の最後のほうみたいに、津波が畑の中をどんどん進んで
  いく映像は覚えています」
お「私は募金活動のボランティアをしました。ちゃんとした団体で」
や「オレは100円入れた」
も「少なっ! 『ローソン100』にも行けないじゃないですか。
  私なんて、諭吉入れましたよ」
山「オイ、守山。スマトラの津波のとき、当時の国連事務総長がな
  んて言ったか知ったるか? 『やれる範囲のことをやることが
  重要だ』ということだ」
お「そうよ、さっちゃん。ほとんどバイトしてない学生ニートのや
  まさんにとって、100円は大きなお金なんだから!」
や「…………」
も「……そういえば、2011年の『今年の漢字』ってなんでした
  っけ?」
や「『絆』。ぼくは『災』がいいと思っていたよ。『絆』は流行語
  であって、その年の世相を表す言葉じゃないと思うんだ」
も「確かに、絆、絆って言われても、大惨事が起こってから言う言
  葉ではないような気がしますよね」
山「絆という言葉には、集団主義的な意味合いが感じられる。『オ
  イコラ、絆だろ? 汚染米ぐらい喰えよ』とか言われそうだな」
も「汚染米といえば、『セシウムさん』という放送事故がありまし
  たね」
山「なつかしいな」
や「ぼくの気のせいかもしれないけど、スーパーの米売り場で、岩
  手県産の米があまり売れてなかった覚えがあるんだ。九州産の
  はよく売れてたけどな」
お「……『ことなかれ主義』っていうやつですね」
山「それがオレたち日本人の国民性だよ」

作品名:脳内忘年会2011 作家名:やまさん