小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

「姐ご」 4~6

INDEX|3ページ/6ページ|

次のページ前のページ
 




「姐ご」(5)
厩舎の一日


 厩舎の朝はすこぶる早く、
午前2時ころにはもう作業がはじまります。


1頭の世話には2時間ほどかかりまうので、
平均3~4頭を担当する厩務員は
未明から午前8時ころまで競走馬の調教にかかりっきりになります。
出勤するとまず厩舎へ行き、自分の担当する馬の様子を観察します。
異常がないかどうかの目視による確認です。


 馬房では、厩務員の姿が見える前から足音や気配を察して、
もう馬たちが鼻を鳴らして騒ぎます。
寝わらを取り替え、馬房の掃除を済ませると
馬具を装着して、騎乗の準備に入ります。
午前5時を過ぎると調教師や騎乗のできる厩務員や
所属の騎手たちがやって来ます。
いきなり走らせるのではなく、騎乗したまま軽く歩かせて
その準備運動にはいります。



 充分に馬の身体をほぐしたら調教の担当者に引き渡し、
さらに次の馬の準備にはいります。
調教はトレーニングセンター内にある、試走馬場
(一周約1000m)をつかってレースに備えての全力疾走や
軽い速歩など、馬の状況に合わせた調教をおこないます。


 2頭目の準備が終わるころには、
すでに調教を終えた最初の馬が厩舎へ戻ってきます。
体調管理のためにも、激しい運動のあとの
生理運動(クーリングダウン)は欠かせません。
これを怠ると故障の原因にもなりますので、馬に騎乗したままの状態で
厩舎の周辺を何周も歩きまわります。
ゆえに、トレーニングセンターと厩舎の周辺は、
馬の脚を痛めないように未舗装のまま
大地を剥き出しにしてあるのです。



 これが済むと洗い場に馬をつなぎ、
シャワーで汗を流し、ブラシをかけながら、併せて馬の体調や脚などに
異常がないかどうかの確認をします
その後に馬房へ戻し、飼い葉を与えて休息をさせます。



作品名:「姐ご」 4~6 作家名:落合順平