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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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OATH~未来につなぐシルベ~第一章(第3話・第4話)

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ルリ(声のみ)「ソヴェットさんが『逃げろ!』と言い放ち、アタシはレイちゃんを抱えて、彼の想いを汲んで逃げた。泣きながら、必死に・・・・・・」

 ※回想シーンが終わり、海上都市マノーラ 中央広場 ステージ裏へと戻る(このままイベントが続く)


■海上都市ヴロール 中央広場 ステージ裏<シーンNo.3-11>

リディア「(悲しそうな表情で)・・・・・・」
フェレル「(悔やんでいる表情で)・・・・・・」

 あまりの悲惨な過去に言葉がでない二人。

  ルリ「そして、アタシたちはソヴェットさんという尊い方を犠牲にして・・・・・・過激派の連中を抑えることができたの・・・・・・」
リディア「ヒドイ・・・・・・」
フェレル「人と人の争いの起点は必ず政治、か・・・・・・それ以外に方法はないのかよ・・・・・・」
  ルリ「そうよね。なんで、罪もなにもない民間人まで襲うのかしらね。本当に人間は愚かだとつくづく思ってしまうわ・・・・・・」

 三人は黙りこむ。

リディア「・・・・・・と、いうことはレイナがジャスティスに入りたい理由は・・・・・・」
  ルリ「うん・・・・・・おそらく、彼女も尊敬していた人物、ソヴェットさん絡みだと思うわ」
フェレル「ソヴェットって人・・・・・・相当すごい方だったんですか?」
  ルリ「ええ・・・・・・自分と他人に厳しい方だったけど、常にアタシたち団員を気遣い、自分たちを前へと動かしてくれる―団員として最高の方だったわ」
フェレル「そう、ですか・・・・・・」

 ソヴェット・ゲシュオスのすごさを噛みしめ、レイナがなぜジャスティスになりたいのか実感する二人。
 しかし、リディアの中で疑問が募る。

リディア「レイナがその人のために何かをしたいから、ジャスティスに入りたいと思っているのは分かったわ。でも、なんで力に溺れてまで、一人で何とかしようとするんだろう・・・・・・?」
フェレル「そういえば、そうだな・・・・・・おまえ、たま~に意外なところで何かに気づくなぁ・・・・・・」
リディア「余計なこと言わないの!・・・・・・なんで、一人でここまで頑張る必要があるの?」
  ルリ「うん。レイちゃん、市長の娘でしょ。だから、特別扱いばかりで・・・・・・そして、同じ年の子には差別を受けて・・・・・・『市長の娘』という肩書きが彼女を孤立させてしまったの。もちろん、あたしたちは逆だったけど」
フェレル「そうか。だから一人で・・・・・・これも、あの市長の愛情からだろうな」

三人はまた、黙りこむ。

リディア「う~っ」

 突然、唸(うな)るリディア。
 リディアの行動に不思議がる二人。
 リディア、空に向かって大声で、

リディア「わーーーーーーーーーーっ!!」

 あまりの大声に驚く二人。

リディア「ああ~もうっ!イライラするっ!!」

 リディアの突然の行動に唖然とする、フェレルとルリ。

  ルリ「ど、どうしたの・・・・・・いきなり・・・・・・」
フェレル「つ、ついに気が狂ったか・・・・・・」
リディア「(怒るように)狂ってないわよ!レイナにイライラするのよ、もう~っ!」
  ルリ「レイちゃんに?」
リディア「(叫ぶように)そう!なんで、一人でなんとかしようと思っているのよ!あの堅物市長が原因なのは分かるけど・・・・・・でも、それこそ、色々な人に迷惑をかけるじゃない!力になってくれる人なら、周りにたくさんいるのに!支部長も支部長で、レイナもレイナよ!!」
フェレル「リディア・・・・・・」

 リディア、意を決した表情で空を見ながら、

リディア「よし!決めた!!だったらあたしが、あの子の友達になってやるわ!こうなったら、三人でジャスティスに入団してやる!!」
フェレル「(呆れたように)お、おい。マジかよ・・・・・・」
リディア「(威張ったように)あったりまえよ!あたしに二言目(ふたことめ)はないでしょ!!」

 威張ったような態度でフェレルを見つめるフェレル。
 フェレル、諦めているかのように呆れる。

フェレル「・・・・・・ったく、しょ~がねぇ~な~。まあ、女王様がここまで言うんなら、俺は何も言わねえけど・・・・・・同じ志をもつのが一人増えても別に構わねーよ」
リディア「女王様は余計よ、フェイ!」
フェレル「うっさいなぁ。お前が勝手に決めたら、なりふり構わずにとことん突き進むからだろ」

 そっけない態度でリディアの顔を見つめるフェレル。

リディア「なっ!なんですってーーーーーっ!!!」

 リディア、鋭い目つきでフェレルを見つめる。

  ルリ「ふふふ・・・・・・」

 突如、微かな笑い声が聞こえ、ルリの方を見つめる二人。

  ルリ「はははははっ!!」

 ルリが突然笑いだす。
 リディア、フェレル、呆然となる。

リディア「ど、どうしたんですか・・・・・・」
  ルリ「ごめん、ごめん。いやぁ、君たち、仲良いね~」
リディア「(フェレルと同時に)な、仲良くない!」
フェレル「(リディアと同時に)な、仲良くないです!」
  ルリ「ふふっ。アタシにはそういうところが羨(うらや)ましいのよ。笑いあって、ケンカもできる。そんなところが!」

リディア、フェレル、何も言えずに赤面。

  ルリ「確かに、今のレイちゃんには君たちみたいな友人が必要なのかもしれないわね。大切なことは、他にもたくさんあると言う事を知る必要があるし・・・・・・よし!じゃあ、アタシも『友人』として一肌脱ごうかな!」
リディア「え!?ま、まさか、ルリさんもあたしたちとついて来るんですか!?」
  ルリ「そうよ。アタシもあの子に伝えたいことがあるから。それとも、アタシが来たら何か悪いことでも?」
フェレル「い、いえ。む、むしろ心強いです」
  ルリ「なら決まりね。じゃあ、三人でレイちゃんをつかまえよ~!!」
リディア「つかまえるって・・・・・・ははは・・・・・・」

 ルリの前向きで勢いのあるテンポについていけないリディア。

  ルリ「じゃあ、ちょっと着替えないといけないから・・・・・・そうね、ジャスティス支部がある道からさらに奥の方にある、北門の出口で待っててくれない?」
フェレル「分かりました。じゃあ、先に行こうリディア」
リディア「う、うん・・・・・・」

 自分の強引な発言から、さらに強引になったことに戸惑うリディア。
 二人は北門の出口へと向かう。
 ※イベント終了。『中央広場 ステージ前』へと強制的に戻り、操作が可能になる。