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「姐ご」 1~3

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「姐ご」(2) 再会は突然に

 瓦屋さんの最大の楽しみは「賭けマージャン」です。
それも、ひと勝負に10万円を上限でかけるという
過激な勝負が大好きなのです。
テーブルの上に現金を置き、一着が総取りをする特別なルールでした。
決着までの時間も早く、あっというまに勝敗が決まります。




 顔ぶれは、実に多彩です。
医師や弁護士、校長先生をはじめ、
民間企業の社長さんや部長クラスの公務員たち、さ
らに御多分にもれず、やくざ屋さん。
金に糸目をつけない人たちが、夜な夜な、テーブルを囲みます。
たかがいっかいの瓦屋職人が大金を自由にできるには、
実は裏が有りました。



 実家は、先祖代々の大地主です。
数軒の貸し店舗と、貸した地代だけでも充分な収入になりました。
それにくわえて、当選したばかりの新市長を長年にわたってささえてきた
地元の有力土建業者と親交があったために、
思わぬ仕事まで舞込むようになりました。
つぎつぎと、大型公共事業の屋根工事を受注し続けます。
ほとんどの仕事を下請けに任せては、しこたまその上前をはねています。
こうして溢れた金を、夜毎にわたって、
女とゴルフと賭けマージャンに注ぎこんでいるのです。



 対面にやくざ屋さんが座りました。
瓦屋さんには絶好の配碑があり、願ってもないチャンスが回ってきました。
一発逆転の大チャンスがやってきました、・・・
それを旨く引き当てしまいます。



 「よっしゃあっ、一発大逆転のツモだ!
 やっぱり、最後に、正義は勝つと相場が決まっている。
 常に正義は、勝つ!!」



 正面に座ったやくざ屋さんが、がっくりと肩を落とします。




 「瓦屋よ~、
 俺は、悪(わる)だから上がれねえのかな・・・」


 「あたりまえだのクラッカー、その通りだ!。
 あたりき、しゃりき、車ひきだ~。
 悪は最後に滅びる。
 どうだ、

 正義は最後に、必ずに勝つ!」


作品名:「姐ご」 1~3 作家名:落合順平