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僕の村は釣り日和3~バスフィッシング

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 東海林君は少し照れながも、強く僕の手を握り返した。
 それはそうと、先程から父とポールさんは何やら英語交じりで話をしている。
 東海林君と僕がブラックバスに見とれていると、父が駆け寄ってきた。
「ポールさんがね、そのブラックバスをくれないかって言ってるんだ。その代わり、今夜はポールさんのペンションにタダで泊めてくれるらしい。どうする?」
 ポールさんも円満の笑みを浮かべて歩み寄ってきた。
「最高のブラックバス料理をごちそうしますよ」
 東海林君と僕は顔を見合わせた。今夜はテントで寝る予定だった。それはそれでよかったのだが、やはり柔らかい布団で寝たいものだ。
「いいよ。その前に記念写真を一枚、撮らせてよ」
 東海林君と僕と父と、そして53センチの大きなブラックバスを囲んでポールさんにシャッターを押してもらう。
 デジカメの画面に写った顔は、みんな満足そうな笑顔だ。ただブラックバスだけがつぶらな瞳を輝かせている。とても悪口を言われる魚の目には見えない。