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舞うが如く 第五章 16~18

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 一斉射撃で、政府軍による第一陣の切り込みを撃退させた、
会津兵の鉄砲隊の前へ、敵の大砲部隊が今まで一度も見た事もないような
奇妙な火器を引き出してきました。

 その荷車に据え付けられていたのは、
10本の銃身を束にした形のもので、
ガトリング砲と呼ばれ連続して数十発が発射できるという
最新鋭の機関銃でした。



 「鉄砲隊は、
 急ぎ散会せよ。
 あなどるでないぞ、あれなるは、
 機関砲なる連続射撃のできる、最新式の武器である。
 物陰に隠れ、各自それぞれに、
 身をかわせ。」



 八重の言葉が終わらぬうちに、
敵のガトリング砲のシリンダーがその回転を始めました。
つるべ打ちの敵弾が、明け放たれた山門へ次々と着弾をしました。
逃げ遅れた会津の鉄砲兵が、連続して上がる激しい土埃の中で、
相次いで、もんどりうって倒れ込んでしまいます。



 これ以上の踏みとどまりは、
無理と判断した八重が、鉄砲隊に向かって、
長命寺からの撤退を命じました。