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舞うが如く 第五章 16~18

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舞うが如く 第五章
(17)作蔵が逝く



 激しい衝撃が琴を襲いました。
胸にのしかかってきたそのあまりもの重さに、
ようやく琴が意識を戻します。
最初に受けた衝撃は、身近に炸裂した砲弾による爆風によるものでした。
2度目の衝撃は、覆いかぶさってきた作蔵によるものです。
同じようにもうひとり、八重も作蔵の下敷きにされていました。



 立て続きに降り注いできた政府軍の、
砲撃と銃撃が小止みになります。
進撃の合図と共に、狙撃隊の後方から敵兵たちが立ち上がり、
一気に山門までの距離を詰めてきました。
ふたたび、山門をめぐる攻防戦が始まります。



 覆いかぶさる作蔵の肩をつかんだ瞬間に、
琴の顔色が変わりました。
激しく揺さぶると、鮮血にまみれた作蔵がようやく
その目を見ひらきます。



 「大事はなかったか、琴。
 そちらの、八重殿は、いかがである。」


 応える間もなく、土のうを飛び越えてきた敵兵が、
横たわる作蔵をめがけて、その槍先を突きたてようと身構えました。
後方から援護に飛び出してきた会津兵が、
身体もろとも、この敵兵に突進しようと身構えます。



 「無理をいたすな、離れよ!」


 片膝をついて起きあがった八重が、そう言うが早いか、
連発銃の引き金をひいて、土のう上の敵兵を撃ち倒してしまいました。



 「鉄砲隊は、前へ出て、
 横一列にて水平に銃を構えよ。
 急ぐことなかれ、
 存分に引きつけてから射撃をいたせ。」