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舞うが如く 第五章 13~15

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一方、竹子が率いた婦女子隊は、
柳橋から撤退したのちに、二十六、七日とそのまま坂下に留まりました。
政府軍との小競り合いを繰り返しながらも、そのわずかな合間を縫って
竹子と尊之介の亡骸は、坂下の寺院に埋葬をされました。
 
 二十八日になってから、ようやく入城にといたります。
高久に布陣中の萱野権兵衛が付けてくれた、
屈強な数名の護衛に守られて、竹子の母と優子が、
他の婦人たちと共に若松の城下へ、闇にまぎれて潜入し、
敵の背後を迂回しながら鶴ヶ城への接近をこころみました。
敵弾の下をかいくぐりつつ、
大町通りから割場を経て、武士の合言葉をもって
西追手門を開かせると、ようやくに入城を果たすことができました。



 琴の無事なる帰還を、山本八重がことのほか喜びます。



 「こんな、幼子までが・・・」
婦女子隊を迎えに出た喜智子が、姉を失った優子を優しく抱きしめました。
会津における籠城戦には、600名を越える婦女子が
参加したと伝えられています。
多くの婦女子たちが、傷兵の看護や食糧の炊出しに励み、
非戦闘員としても大いに銃後で貢献をしました。


 そしてこれ以降、竹子の母も優子も、
再び薙刀をとって、戦場で戦うことはなくなりました
ひと月余りにわたる籠城戦を、
その内部からしっかりと支える役目に徹しきります。