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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十一回】きみの て

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「ばなにきん」
「ばなにきんだな」
「うんばなにきんだった」
「ばなにきんばなにきん」
「ばなにきんって何~?」
ソレに対するはその他の面々のよくわからない言葉
「お前本気ナリかッ!?;」
慧光がバンッとテーブルに手をつき声を上げた
「そうだよ緊那羅!! わかって言ってんの!? 宝珠を一つって…」
慧喜も緊那羅に向かって声を上げる
「…その続きは?」
中島が鳥倶婆迦に聞いた
「宝珠を色つけるのは心でその心っていうのは簡単に言うと自分の命だよ」
鳥倶婆迦がお面を少しあげてたぶん口を拭きながら答えた
「命って…命か?」
京助が聞くと鳥倶婆迦が頷く
「だから宝珠を使うとかってなると命を使っているってことになるんだ」
鳥倶婆迦が付け加えると一同が緊那羅を見た
「だったら…私のを使うナリッ!!」
慧光が立ち上がった
「俺のだって使えるよ!!」
慧喜も言う
「おいちゃんだって矜羯羅様が助けられるなら使うよ」
続いて鳥倶婆迦も言った
「お前等本当 矜羯羅っ子なのな」
「制多迦様も好きだよ」
中島が突っ込むとすかさず鳥倶婆迦が言う
「でもおいちゃん…今の制多迦様は好きじゃない…」
そしてボソッと付け足した
「今の制多迦?」
聞こえた中島が聞き返すと鳥倶婆迦が黙り込んだ



「もう食えないんだやな~…」
ホゥっと幸せそうな顔をしてイヌがゲップをした
「ゼンもなんだやな~」
コマも同じくゲップをして寝転がった
「食べてすぐ寝ると牛になるって言うけどゼン等は犬だからいいんだやな」
コマがよくわからない自論を説きながらコロコロ転がる
「安心なんだやな~」
イヌも同じくコロコロ転がった
「あとは寝るだ…」
フニフニと顔を撫でていたイヌの鼻がピクっと動きバッと起き上がった
「この感じ…この匂い…」
同じものをたぶん感じ取ったのかコマも起き上がり鼻をきかせる
「…主…!」
二匹同時に口にしたその言葉と共にコマがゼンへそしてイヌがゴへと姿を変え走り出した