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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十一回】きみの て

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「ごめんな」
ゆっくりと京助の頭を撫でながら竜が謝った
「…アンタが謝るのは俺じゃなく母さんにだろ…」
小さく京助が言う
「…そうか…?」
眉を下げて笑う竜が京助の頭から手を離した
「しいたけ食えるようになったか?」
「苦手だけどな」
「おねしょは?」
「してねぇよ」
「自分の名前漢字で書けるか?」
「いくつだと思ってんだ」
「いくつになった?」
「14…なんだよ…」
竜の他愛もない質問に京助が俯いたまま淡々と答える
「…ってきたら…」
再び腕を上げた竜が京助の小さく言い始めた言葉に振り向く
「ちゃんと帰ってきたら…呼んでやるよ…アンタのこと父さんって」
その言葉に竜がふっと微笑んだ
「約束…な?」
かざした竜の手に光が集まりだした

「京助…」
竜と鳥倶婆迦そして慧光が扉をくぐり消えてしばらくして緊那羅が京助に声をかけた
「…見んな…」
悠助の体に自分の頭を押し付けて京助がくぐもった声で言う
「うん…見ないっちゃ」
頷いた緊那羅が悠助ごと京助の頭を抱きしめるとコマイヌの姿になった二匹が京助の足に擦り寄ってきた