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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十一回】きみの て

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「京助!!」
グラついた京助がぼんやりと見えた緊那羅が手を伸ばすと光りの中から出てきた手に腕を捕まれた
「な…はな…」
腕を引っ張られた緊那羅がブンブンと腕を振ってつかんでいる手を離そうとすると腕に重みを感じる
「…京助…?」
その重みが京助であることに気づいた緊那羅の腕がずり落ちないよう反射的に京助を抱きしめた
「京助を本当の意味で守ってやれるのは君なんだよ…」
だんだんと視界が開けてゆく中 緊那羅の耳元で聞こえた声
「…竜…?」
意識を失った京助を抱えた緊那羅が目の前で悠助を抱えた若い男に向かって言うとその男がにっこりと微笑んだ
「悠助!!」
竜の腕に抱かれている悠助を見て慧喜が駆け寄った
「竜…」
鳥倶婆迦が言うと竜が振り返る
「さぁ…行こうか」
駆け寄った慧喜に悠助を託した竜が倒れていた襖を直して廊下に出ると慧光と鳥倶婆迦、そしてゼンゴも竜に続いた
「ま…」
後を追おうとした緊那羅が意識のない京助を見てそれからまた廊下を見る
「…アレが…京助の…」
唖然としていた南がようやく口を動かした
「そしてハルミさんの…」
坂田がずり落ちたメガネを掛けなおしながら竜の去った廊下を見る
「京助頼むっちゃッ!」
「えっ; ちょ…!!」
中島に京助を半ば強引に押し付けた緊那羅が茶の間から飛び出した