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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十一回】きみの て

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「大きくなったな」
二本角の子供が笑いながら京助の頭を撫でる
「竜…」
それを見ていた緊那羅が呟くように言うと四本角の子供が緊那羅に近付いた
「阿修羅から貰ったもの…まかせていいか?」
目は髪で見えないものの口元が笑っている四本角の子供が緊那羅を見上げた
「え…」
緊那羅が驚いていると三本角の子供も近付いてきて緊那羅を見上げる
「君に足りないのは自信だよ緊那羅」
「どうして名前…知ってるんだっちゃ…」
名前を言われて更に驚いている緊那羅を見て二人の子供が顔を見合わせた後笑った
「俺の心…持っているだろう?」
三本角の子供が緊那羅の腕についている緊那羅の宝珠を突付いて言う
「宝珠は持ち主と一心同体だからね」
四本角の子供が言った
「ねぇ」
鳥倶婆迦が慧光の服の裾を引っ張る
「竜なら…」
「わかってるよ」
鳥倶婆迦が言い終わらないうちに二本角の子供が鳥倶婆迦と慧光に笑顔を向けた
「君達の大切な人が危ないんだろう?」
二本角の子供が慧光と鳥倶婆迦を見た
「でも…お前は…天なんナリよ…?」
慧光が助けて欲しいけどでも…なんだか躊躇うなぁというオーラ全開で言った
「俺は天だとか空だとかどうでもいいと思ってるんだ」
一本角の子供が言う
「こんな考えだから上に目ぇつけられてたんだ」
ハッハと一本角の子供が笑った
「君達の大切な人…矜羯羅と制多迦だね」
三本角の子供が言うと何度も頷く慧光の目からまた涙が流れた
「今の俺に…俺達にどこまでできるかわからないけど…」
「それでもッ…!! それでもお前は私達より力あるナリ…だから…」
四本角の子供が言うと慧光が鼻水を流して言った
「あの子達もまた…ここの居心地のよさに気づいたんだな」
二本角の子供が茶の間をぐるり見渡した
「前はここに…そうだ悠助の哺乳瓶やら入れる棚があったんだっけな」
一本角の子供が今は何も置かさっていない部屋の隅を目を細めて見た
「ハルミが悠助に掛かりっきりで捻くれた京助が悠助の粉ミルク全部食い尽くしたっけナァ…」
二本角の子供が懐かしそうに言うと一堂の視線が京助に集まった
「マジで…?;」
「飲んだんじゃなく…食った…んだ;」
「いろんな意味で嫌な子供だったんだなお前;」
3馬鹿が口をそろえて言う
「覚えてねぇよんなことッ;」
京助が反論する