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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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OATH~未来につなぐシルベ~第一章(プロローグ~第2話)

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■休憩所『憩の間』 外<シーンNo.1-15>

 外に出た二人。
 そこには見たこともない、黒い模様のゴリラのような大型の魔物があの紫色の魔物を従えて立ちはだかっていた。

リディア・フェレル「!!」
リディア「・・・・・・どうやら、コイツが親玉のようね」
フェレル「一筋縄じゃいかないようだな」
リディア「うん・・・・・・来るよ!」

 黒い模様の魔物(ボスモンスター)と濃い紫模様の魔物×2と戦闘開始!!(逃走不可)

<戦闘終了後>

リディア「せやぁぁぁ!!」

 リディア、棒で薙ぎ払い、黒い魔物を吹き飛ばす。魔物、動くことができない。
 二人は長きに渡る戦闘で、体力が消耗しており、立ち上がるのが精いっぱいな状態に。

リディア「はあ・・・・・・はあ・・・・・・これで終わり?」
フェレル「・・・・・・だろうな」

 二人が「終わった」と思ったその瞬間、黒い魔物はまた立ち上がる。

リディア・フェレル「!」

黒い魔物、咆哮する。

リディア「(フェレルと同時に)きゃあああ!」
フェレル「(リディアと同時に)ぐうぅぅぅ!」

 リディアとフェレル、立ち上がることができない。

リディア「(苦しむように)・・・・・・う、ウソでしょ~あたし、もうダメだよ・・・・・・」
フェレル「(苦しむように)や、やばい・・・・・・」

 黒い魔物、リディアたちの下へと向かう。
 (※このままフェードアウトしながら画面が暗くなる)

 ※このままイベントが進む。

■休憩所『憩の間』 エントランス<シーンNo.1-16>

 一方、エントランスでは・・・・・・

商人(男)「(慌てながら)あああ・・・・・・やられてしまう!!」
  受付「(慌てながら)ど、どどど、どうすれば!?」

 二人の無惨な姿に、利用者たちは混乱している。
 しかし、

暗い男(カイザー・ハンズブルスト)「・・・・・・どけ」

 先ほど、影からリディアたちを見ていたあの男―どす黒い緑色のスーツを着こなしており、頭に帽子を被り、右目だけを青紫色の長髪で隠した、いかにも暗い雰囲気を持つ男が利用者たちの前に出て、外の方へと向かう。
 その男の出現で、エントランス内が一気に静かになる。

 (このままフェードアウトしながら画面が暗くなる)
 ※このままイベントが進む。

■休憩所『憩の間』 外<シーンNo.1-17>

 一方、リディアとフェレルは依然、立つことが出来ない状態。
 黒い魔物がリディアたちの目の前にいる。
 リディア、見上げながら黒い魔物を見つめる。

リディア「くっそおおお・・・・・・こんなところで」

 黒い魔物、右手を大きく振りかぶり、リディアに襲いかかる!

リディア「うっ!」

 リディア、目をつぶりながら武器を盾にする。
 「もうだめだ」と、思ったその瞬間、リディアたちの後ろから縄のようなものが飛んでくる!それは、黒い魔物に命中し、魔物はよろめいてしまう。

リディア「え!?」

 思わず後ろを見る二人。すると、先ほどの暗い雰囲気の男が立っていた。
 縄は男が持っている武器の方へともどっていく。どうやら、伸縮自在のムチのようだ。

フェレル「!」

 男は飛び、リディアたちの前に立つ。

リディア「・・・ちょっ、ちょっと!危ないわよ!!」
 暗い男「・・・・・・フン」

 男はリディアの警告を無視して、その魔物に戦いを挑む。
 魔物が両手を大きく振りかぶる!

 暗い男「・・・・・・スキだらけだな」

 大きく振りかぶる魔物のスキを利用し、男は魔物の急所らしき部分に狙いを定める!

 暗い男「・・・ハアアア!!」

 男、ムチを思いっきり伸ばし、それは鋭い刃(やいば)のように黒い魔物を斬りつける!!

黒い魔物「ウガアアアアア!」

 黒い魔物、力尽きて倒れてしまい、その場から消えてしまう。

リディア「・・・・・・うそ・・・・・・」
フェレル「・・・つ、強えぇ・・・・・・」

 二人とも、男の強さに呆然とする。

 暗い男「・・・・・・」

 男、横目で鋭い眼光で後ろにいるリディアとフェレルを見つめる。

リディア「あの・・・・・・助けてくれて・・・・・・」
 暗い男「・・・・・・フ」

 暗い男、何も言わずにサウスマリーの方へと向かう。

リディア「ちょ、ちょっと!!(ムカついたように)・・・・・・なによ~あの態度は!!」
フェレル「・・・・・・大口叩くおまえと同格だと思うけど」

 フェレル、自身に水の結晶治癒術をかけ、立ち上がる。

リディア「はあ!?あんなヤツと一緒!?冗談じゃないわよ・・・・・・イテテテテ・・・・・・」
フェレル「ほら、傷口が開くぞ」

 フェレル、リディアに自身にかけたのと同じ水の治癒結晶術をかける。
 リディア、立ち上がる。汚れた部分をパンパンとはたく。

リディア「ふう、ありがと。・・・・・・しっかし、気に食わないわねぇ~。そりゃあ、あたしたちを助けたことには、感謝するよ!でも、鋭い眼光で見つめて、いかにも実力不足だと言われているみたいな態度でバカにされて・・・・・・くぅ~、ムカツク!!」
フェレル「でも、あの男・・・・・・ジャスティスの団員ぽかったぞ・・・」
リディア「え?あんな男が!?」
フェレル「おそらくな。あの男の胸元に、紋章のようなものがつけられていたぞ」
リディア「紋章?ジャスティスって皆、それをつけているの?」
フェレル「ああ。親父から聞いた話だが、人目で団員だと分かってもらうために、義務としてつけているそうだ」
リディア「(信じられない表情で)じゃ、じゃあ・・・・・・ほんとに・・・・・・」
フェレル「(冷静に)・・・・・・それなりの実力者だ。馬鹿にされてしまうのも当然かもな・・・・・・」
リディア「・・・・・・」
商人(男)「お~い!」

 正面玄関の方から声が。
 受付や利用者たちがリディアたちの下へと駆けつける。

商人(男)「だ、大丈夫か二人とも!」
リディア「ええ。(悔しそうに)・・・・・・あのムカツク男に助けられたけど」
  受付「あの男の方はどうしたんですか?」
フェレル「倒して、サウスマリーの方へと行きました。・・・・・・ジャスティスの団員みたいでしたが」
  受付「そうなんですよ!あの方はカイザー・ハンズブルスト。伸縮自在のムチを刃のように圧倒的に切り刻む、謎めいた方なんですよ~。初めて拝見しましたけど、かっこいいですね~」
リディア「かっこいいって・・・・・・」

 リディア、呆れたように受付を見つめる。

  受付「はっ!す、すいません。私としたことが。・・・・・・あなた方も命の恩人なのに」
フェレル「(呆れたように)・・・・・・いいですよ。じゃあ、俺たちはマノーラへ・・・・・・」
  受付「え!?もう行くんですか?ケガとか大丈夫ですか?」
リディア「うん。治癒術かけてもらったから平気だよ」
商人(男)「ま、まだ、お礼もしてねえのに・・・・・・」
リディア「いいよ、そんなの」
  受付「で、でも・・・・・・そうだ!これを」

 チケットのようなものをリディアたちに渡す。

リディア「これは?」