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舞うが如く 第五章 4~6

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 翌日には、旧幕府軍が宇都宮城を占領します。
しかし宇都宮から一時退却した新政府軍は、
東山道・総督府軍の援軍たちと合流をした後に、再び大軍となって、
一斉に宇都宮城へ攻めのぼってきました。
激しい攻防戦の末、城を放棄した旧幕府軍はもともと目指していた、
聖地日光での決戦に備えるべく、そのまま退却を急ぎます。



 徳川慶喜が謹慎していた上野・寛永寺には、
江戸の無血開城以降の、江戸の治安を統括する組織として、
旧幕府勢力の「彰義隊」が配備されていました。

 この彰義隊は、幕府主戦派から
“裏切り者”呼ばわりをされていた勝海舟が自ら編成したものです。
彰義隊は、新政府勢力への対抗姿勢を如実に示しており、いたるところで
新政府軍兵士への集団暴行や、殺害を繰り返しました。



 江戸城会談での当事者となった西郷隆盛は、
勝海舟との関係から、彰義隊等への対応が手ぬるいとの
批判を受けてしまいます。
この直後に、大総督府は、
西郷隆盛を司令官から解任をしてしまいました。
長州藩士の大村益次郎を新司令官に任命したうえで、
明けた5月1日、大村は、旧幕府勢力たちによる
江戸府中取締の役目を解任してしまいます。


 
そしてその2週間後の、5月15日、新政府軍は彰義隊を攻撃して、
ついに上野戦争が勃発します。



 兵砲学者出身の大村益次郎は
佐賀藩が製造した新兵器・アームストロング砲を活用して
彰義隊を狙い撃ちにしました。
彰義隊はなす術もなく崩壊して、
上野戦争はたった1日で新政府軍の圧勝となりました。


 江戸を完全に掌握した新政府は、
明けた慶応4年(1868年)1月17日に、
奥羽列藩同盟の中心にいる会津藩への攻撃を決定し、
仙台藩へは追討の命令を出しました。