きのう・きょう・あした
した。私も行けば良かったとも思いましたが、とても冷静に聞いていられなかった
でしょう。私の弟は17歳と、早く逝ってしまったのですけど、それにしても大石剛
さんは27歳過ぎだと聞いて驚いています。早く詩集を見てみたい想いでいっぱ
いです。23日の福岡市でのコンサートほんとにご一緒してよろしいのでしょうか?
ぜひ、連れていってください。お願いします。まだ見ず知らずの中里様にこんな
お願いをするなんて、とっても厚かましい女だとお思いでしょうが、宜しくお願い
いたします。
23日は何時にどこで待っていれば良いのか教えて下さい。私は、当日は紺のス
ーツに、白いハンドバックを持っていきます。それでは、ご返事をお待ちしてお
ります。 』
(山谷さんのメールもよんでおかなくては・・・)
『 山谷です。
> 佐伯です。
> 山谷さん、中里さん、きょうは楽しい時間をご一緒できて
> うれしかったです。
佐伯さん、どうもありがとうございました。
突然、インタビューアーをお願いしてしまって・・・・。
お蔭で、とても素晴らしい話を引き出すことができて感謝です。
もうこれからは、決していじめたりしません。
(ん? いじめる? 山谷さんと、佐伯さんて、仲がいいんだ・・・)
>@今夜、生演奏まで飛び出すとは思っていませんでした。
今、モノラルですが、昨日の生演奏の録音を聞いています。もともと
音質についてはあきらめていたので、インタビューの時のレベルのまま
録音していただけなのですが、録音レベルをきちんと調整しておけば、
よかった、と聞きながら後悔しています。音が大きすぎて割れてしまって
いるのですが、小さな音の時はけっこうきれいに録れているので、
その気で録音調整しておけばよかった。
中里さんと佐伯さんには、1時間ほどの録音全てをテープにして
お渡ししましょうね。いい記念になると思いますので。 』
(えっ!録音のテープをコピーしてもらえる? やったぁ!・・・山野さんも、ほんと
うに昨日来ればよかったのにね・・・)
(佐伯さんは昨日に続いて何を書いてるのだろう?)
『@ 佐伯です。
中里さん、昨日は初対面にもかかわらずろくろくご挨拶も出来ず失礼しました。
渡辺さんのパワーに押されっぱなしであっと言う間の1時間半でした。
玄関を出た後は3人とも軽い放心状態でしたよね・・・。
音楽がお好きとのこと、又どんどん素敵な音楽家を訪問しましょう。
土谷さん、コーナーのタイトル変えませんか?
「3頭のぼんカバチョが行く!」とか・・・。
もっと増えた場合、「突撃!ぼんカバチョ団」かな・・・?
CD化の件、ほんとに実現するといいなと思ってます。
みんなを巻き込んで何か策を練りましょう。
私も「心」愛聴してます。
特に「さよならはSee You Again」がお気に入りです。
「生命が光る」もいいですね。 』
(佐伯さんも、本当に音楽が好きなんだろうな、特に自分で取材した出来事の輪が広が
って行くのが、嬉しいのじゃないかな? もしかしたら、佐伯さんと山野さんは会って話を
すればきっと仲良くなれるんじゃないかな?)
まだ、会ったこともない一人の女性の、過去と現在をいろいろと、想像していました。
(とりあえず、23日どこで、どう落ち合うかを決めないと・・・コンサートが午後1時から
だから、食事もしなくてはいけないし、あっ!そうだ、山野さんの住まいはどこなんだろう?)
北九州市内ということは、判っていてもどこの区なのか、知りませんでした。
(ということは、小倉駅で待ち合わせるのが一番無難か・・・でも、お互いの顔を知ら
ない二人がどうやって見分ければいいんだろう? 紺のスーツに、白のハンドバック
といっても、何人もいるだろうし・・・え〜と、年齢は10年前に3歳年下の弟さんを17歳
で見送った、といってたから、彼女は今29か30歳だ、とすれば、佐伯清子さんとほぼ
同年齢じゃないか・・・よし、小倉駅北口のKMMビルの玄関前が、わかり易いだろう・・・)
『中里です、こんばんは。
佐伯さん、山谷さんのメールにもある通りとにかく、素晴らしい一時でした。佐
伯さんのメールには23日の福岡でのコンサートの案内もしていただいてますの
で、山野さんにもより具体的にご理解して頂けたと思います。そこで、当日の件
ですが、JR小倉駅北口のKMMビルはご存じだと思います。そのビルの玄関に
10時に来ていただけませんか?
私は、白っぽいジーンズのズボンに、紺のジーンズのシャツを着ていきます。
山野さんは、昨日のメールの通りの服装でしたら、私のほうが声をかけます。
それでは、23日は渡辺知子さんのコンサートと、山野さんにお目にかかれるこ
とを、楽しみにしています。 』
(さて、23日は奥さんに何と言ってでかけようかな・・・別に嘘をつく必要もないし
ありのままを知らせておこう。でも、若い女の子と二人で福岡まで行くと言ったら腰
を抜かすんじゃないだろうか・・・)
居間で、コーヒーを飲みながら23日の件を、すこし遠慮がちに範子に話してみました。
「今度の日曜日に福岡で渡辺知子さんのコンサートがあるので、聴きに行くからな」
「あっ、そう。何時頃出るの?」
「10時にKMMビルで人を一人拾って行くから、9時半にには家を出る」
「人一人て、誰? NFKとかいうグループの人?」
一瞬、答えに詰まりましたが、
「そうそう、え〜と、山野明子さんと言って、まだ30前くらいの若い女性なんだけど
顔は知らないんだ」
範子も一瞬、怪訝そうな顔を見せましたが、特に心配する様子でもなく
「それで、何時くらいに帰ってくるの?」
「コンサートが4時くらいに終わるだろうから、家に着くのは6時か7時くらいじゃな
いかな? ひょっとしたら、帰ってこないとか・・・」
「あっ、いっそ其れの方が世話ないかもね・・・」
うちの旦那が、若い女性にもてるはずがない、という妙な確信を持っているのでしょう。
二人の会話はそれっきりで、範子は映画をみて、正彦は自分の部屋の戻り、渡辺知子
さんのCD「心」を聴いていました。
(佐伯さんは、「さようならはSeeYouAgain」と「命が光る」がいいと言っ
てたな・・・最初の「出逢い」という曲も素晴らしいと思うけど・・・山野さんは音
楽はどうなんだろう、好きだったら話が合うかもしれないけど・・・)
作品名:きのう・きょう・あした 作家名:中原 正光