きのう・きょう・あした
『山谷です。
今夜の取材は、佐伯さんと中里さんに同行していただいたのですが、
お二人にご一緒していただいたのは大正解でした。
もし、一人で伺っていたとしたら、渡辺さんのこれまでの人生に
圧倒されてしまって、インタビューどころではなかったと思います。
渡辺さんのお話を聞いていて、自分のこれまでの人生が恥ずかしくなる
思いでした。難病を克服して、音楽の道を目指し、また大きな病気で
2週間も意識のない状態を経験し、その後遺症のリハビリを強い精神力で
乗り切り、音楽の道に復帰。その人生は言葉に表せないものです。
そして彼女と「きのう、きょう、あした」の作詞者である筋ジストロ
フィで18年間もベッドに寝たきりの青年との出会い。彼と、6年前に
同じ病気で亡くなった双子の兄。渡辺さんとご主人との出会い、
そして再会。一つ一つが、大きなドラマです。彼女のインタビューは
わずか30分で語れるようなものではありませんでした。でも、彼女は
放送関係のお仕事もされていたことがあるとかで、少しの打ち合わせの
あと、きちんと時間内に収めて、話をしてくださいました。
終わったあと、ご主人と二人で生演奏を聞かせていただき、ちょっと
信じられないような素晴らしい時間を過ごすことができました。
1分1秒を大切に、と言われていましたが、確かに彼女と過ごした時間は
すごく密度の濃い時間でした。自分のこれまでの人生があまりに希薄で、
甘っちょろい、と大きく反省をさせられた時間でもありました。
世の中、広い。 』
(ほんとうに、そうだね・・・)
そして、それに応答するように佐伯さんのメールも11時半頃届いてました。
『佐伯です。
山谷さん、中里さん、きょうは楽しい時間をご一緒できてうれしかったです。
@私は渡辺さんを取材させていただくのは3回目ですがきょうも圧倒されました。
@聞き手の意図を十二分に理解して、期待の10倍のお話を聞かせてくださるので、
インタビュアーはほんと楽チンでした。
@今夜、生演奏まで飛び出すとは思っていませんでした。
「きのうきょうあした」ファンの佐伯としてはとても幸せなひとときでした。
山谷さんについてってラッキー!!
さて、渡辺さんのコンサートが今月23日福岡市で開かれます。
当日券もあるようですので関心がおありの方は・・・。
私も早速2枚(つい見栄はって・・・)買いました。
お陰で山谷さんは1枚しか買えなかった!!
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渡辺知子「愛LOVEコンサート」
2月23日(日)午後1時開場 1時30分開演
福岡市南市民センター
福岡市南区塩原2丁目8ー2
(西鉄電車大橋駅下車)
主催:福岡市肢体不自由児者育成会
入場1000円 』
(さすが、佐伯さんだ、しっかりコンサートの案内まで書いてくれて・・・チケット2
枚とは、彼氏とでもいくのかな? はやく、僕も報告のメールを書かなくっちゃ)
山谷さん、佐伯さん両名のメールを読み終えたあと、正彦なりに感じたことを書き始めました。
『中里です。
遅くなりました。昨日「渡辺知子さん」の取材におじゃま虫した人間として
私なりに感じた事を報告させていただきます。
山谷さん、昨日は大変お世話になりました。
佐伯さん、佐伯さんのおかげで大変素晴らしい時間が過ごせました。
ありがとう。佐伯さんて、とってもチャーミングですね!
(公のメールにこんな事書いていいかな? でもまっ、正直な感想だからいいか)
取材のあらましはお二人が既に書かれていますが、
死と戦い、障害を乗り越えて生きている1人の人間のスゴサを感じました。
ほとんど半世紀、何の大きな障害もなく、それでいて何かと世間の不公平に
不満を感じながら、平〃凡〃と暮らしている自分がちょっと情けない気持と
同時に、今の自分でも出来る何かを探さなければという小さな決意みたいな
ものを感じさせてもらいました。
子供の頃からの音楽との出会い、そして今のご主人(フルート、オカリナ
奏者)との出会い、そして「きのう、きょう、あした」の詩との運命的な
出会いを、熱っぽく語ってもらいました。30数分の時間がとても短く
感じられました。
そして、「せっかくだから生演奏をきいてください」といって
「きのう、きょう、あした」をご主人と二人で演奏して下さいました。
かすかな希望は抱いていたのですが、あっさりと現実となり
感激、感激・・・・・・役得?ラッキー?音楽大好き人間としては
めちゃめちゃ、うれしかったです。
わたしも、40の手習いでフルートを5年くらい前からふいて(?)
いるのですが、音が未だに出ない。
間近に本物のフルートの音が聞けて最高。
「きのう、きょう、あした」が何とかCDになって、1人でも多くの障害を
抱えている人、そして家族のかたの希望になれば良いですね
・・山谷さん。佐伯さん。 』
一気に、ここまで書いてNFKへ送信しました。
(山野さんは、メールをみてくれたのかな? 今日中に連絡が無いときは今夜もう一度
メールを出してみよう・・・)
その日も、会社での仕事は何となく手に着かず、ちょっと、カゼぎみですから、とか言って、
早めに自宅に戻ってきました。
(ノートパソコンがあって、会社でもメールの送受信が出来たらいいな・・・)
現実に、NFKのメンバーの中にはそうやって、常時メールを読める、書ける状態にある人
が結構居るんだ、との話は誰かのメールに書かれていたように思いました。でも、まだ一式
揃えるには、いくら安くなったからとはいっても数十万円します。薄給の正彦の身分ではとても
かなわぬ夢でした。
(数万円で揃うなら、考えられなくもないけど・・・)
取り込んだメールの中に、山野明子さんのメールがありました。それと、渡辺知子さん
インタービュー関連で山谷さんと佐伯さんのメールも一通づつ届いていました。
『中里正彦様
山野明子です。ご返事遅くなりました。昨夜ご報告頂いたメールはすぐに読みま
した。すぐにご返事書こうと思ったんですが、そのすぐ後に山谷さん、佐伯さん
のメールを読んで、なんだかとても胸が熱くなってしまって、10年前に亡くなった
弟との事とかを考えていたら、涙が止まらなくなりメールが書けませんでした。
それにしても、中里さんの感動がパソコンの画面から伝わってくるような気がしま
作品名:きのう・きょう・あした 作家名:中原 正光