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舞うが如く 第五章 1~3

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 一方の、東山道を進んだ東山道軍の本隊は、
3月8日になると武州(埼玉県)の熊谷宿へ到着をします。
翌9日には近くの梁田宿(現・足利市)で宿泊していた旧幕府歩兵隊の
脱走部隊、「衝鋒隊」に奇襲をかけて、これを撃破してしまいます。



 駿府に進軍した新政府軍は3月6日に軍議をひらき、
江戸城への総攻撃の日程を、3月15日と決定します。
しかし戦乱によって貿易への悪影響が出ることを恐れたイギリス公使の
パークスたちによって、新政府に対し、
江戸総攻撃の中止が求められました。


 新政府の力の維持のためには、諸外国との良好な関係も必要でした。
また武力を用いた関東の平定には、躊躇する意見も多数存在をしました。
やがて江戸城の総攻撃は中止とする命令が、周知されます。


 恭順派として、旧幕府の全権を委任された
陸軍総裁の勝海舟は、江戸の無血開城にむけて動き始めます。
幕臣の山岡鉄舟を、東征大総督府・参謀の西郷隆盛に使者として差し向け、
事態の収拾に向けての会談を提唱します。
西郷の側よりは、降伏条件として、徳川慶喜の備前預けと、武器・軍艦の
引渡しなどが伝えられました。



 西郷は3月13日に、高輪の薩摩藩邸に入りました。
同日から、勝と西郷の間で、江戸開城の無血開城にむけての
本格的な交渉がはじまりました。

 翌14日の、高輪の薩摩藩邸で勝は
慶喜は隠居の上、水戸にて謹慎することを承諾します。
さらに江戸城は明け渡しの後、即日、田安家に預けることなどの
旧幕府としての要求事項を西郷側へ伝えます。
西郷は、総督府にて検討すると勝に確約をします。
こうした会談の成果として、15日に予定されていた江戸城への攻撃は
「ついに中止」と決定をされました。