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舞うが如く 第五章 1~3

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 八重や竹子、妹の優子らが琴の指導のもと、
薙刀の鍛錬に明け暮れていた頃、鳥羽伏見から始まった幕末の戦乱は、
王政復古の改革の炎となり、日本列島を西から東に向かって
激しく燃え上がり始めました。



 江戸へ到着した徳川慶喜は、1月15日になると、
幕府主戦派の中心人物・小栗忠順(小栗上野介)を罷免します。
さらに2月12日になってから、慶喜は江戸城を出て
上野・寛永寺で謹慎生活にはいりました。
自ら、明治天皇には反抗する意志がないことを示しました。


 一方、明治天皇から朝敵の宣告を受けた松平容保は
会津藩兵たちとともに会津へと舞い戻ります。
松平容保は新政府にたいしては、哀訴嘆願書を提出して一応天皇への
恭順の姿勢は示しますが、新政府の権威などは一切認めず、武装も解かず、
求められていた出頭も謝罪も否定しつづけます。



 その一方で、松平容保は、
江戸での薩摩藩の騒乱行為を取り締まっていたために
新政府からは敵意を感じていた、庄内藩主の酒井忠篤と会庄同盟を結成します。
さらに薩長同盟に対抗する勢力の結集を、東北で着々と進めていきました。


 旧幕府に属した人々も、
ある者は国許で謹慎し、またある者は徳川慶喜に従い、
あるいは反新政府の立場から会津藩などを頼りにしながら、主戦場を求めて
東北地方へと逃れはじめました。