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舞うが如く 第五章 1~3

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舞うが如く 第五章
(2)竹子の決意



福島県会津若松市の中心部から少し離れた
神指町(こうざしまち)を流れる湯川のほとりに、
薙刀を手に持った、一人の女性の白い石像がひっそりと建っています。



この湯川にかかる柳橋付近は、
戊辰戦争でも、もっとも激しい戦いが行なわれた場所のひとつでした。
会津城下で激戦が行われる中、猛々しい武士達に交じって、
女性達の集団も、薙刀を手にして激しい戦いを繰り広げました。


 「会津婦女薙刀隊」、
通称「娘子隊(じょうしたい)」と言われた一隊もそのひとつです。
その娘子隊の中に、中野竹子(なかのたけこ)
という一人の女性がいました。



 弘化3(1846)年3月、
中野竹子は、会津藩士・中野平内の長女として
江戸和田倉の会津藩邸内で生まれました。

竹子は幼少の頃より、藩主・松平容保の義姉である照姫に
武道の指南をしていた赤岡大助に薙刀を習いました。
さらに藩内の書の大家であった佐藤得所には書道を習い、
薙刀の腕前は、道場の師範代を勤めるほどになりました。
書道もまた、備中庭瀬藩主・板倉侯夫人の
祐筆を勤めるまでに成長をしました。