スターブレイダ―ズ
グレート・ミノタウロスはこれにより攻撃の照準やレーダーなどを狂わされ敗北してしまったのである。
「攻撃事態はレナの02と同じか、厄介なのはその粒子だな……」
「ええ、最も注意すべき点だわ。」
今度の対戦相手の攻略するべき点は機体に障害を起こし動きを封じてしまうと言う所だった。それをどうにかしない限り勝ち目は無いだろう、
「あ、そうだ!」
するとシンジが突然モニターを切り替える、するとビアンカが訪ねる、
「どうしたの?」
「いや、ちょっと……」
画面が切り替わると現在行われている試合が映された。
今行われているのはクロスボーン・パイレーツとサムライ・ジパングの試合だった。ちなみにその前に行われていたブラッディ・ムーンとウォーハンマー・シャークスの試合はビデオを見ている間に終っていた。
「重要なのはタケシだ。心配はしてないけどやっぱり気になる」
サムライ・ジパングのナイトは前回と同じくナガミツが1機、
クロスボーン・パイレーツの方は全て錨を模した形状をしたナイト『カリビアン』が5機、中央を飛んでいる1号機だけが操縦席が海賊キャップの形をしていた。中央には大きく髑髏と?の字に重なった骨が大昔の海賊旗のように描かれていた。ベタなデザインではあるがそれがクロスボーン・パイレーツの紋章だった。
試合開始のブザーと供に先に出たのは無論カリビアンだった。5号機全てが出撃しナガミツを攻撃するがナガミツの敵ではなかった。
あっと言う間にあのレーザー・ブレードによって3号機が切り裂かれて大爆発、その瞬間ブレードを消すとブースターを全開にして近くの2機に向かいレーザー・ブレードを再び展開させて切り捨てた。
残ったカリビアン1号機と2号機はレーザーやミサイルを放つがナガミツは全てを紙一重で回避しながら突き進み、レーザー・ブレードを展開しながら2機の間をすり抜ける、途端カリビアン1号・2号が輝き大爆発、その瞬間サムライ・ジパングが準決勝進出を決めた。
シンジはサムライ・ジパングの…… いやタケシの勝利を心から喜んだ。
「やったぜ! やっぱタケシはスゲェぜ!」
ナガミツの性能はそのままだが明らかに動きが違う、あれから特訓し腕を上げたのだろう、いずれにしろ強敵なのは間違いなかった。
「……間違いなく強敵になるかもしれない相手ね」
ビアンカが顎に手を当てて考えるとシンジを見つめた。
「シンジ君、次は私達よ」
準決勝は一週間後、それまでにやる事と言えば……
「特訓ですね!」
「それよりも先に対策考えた方がいいんじゃない?」
レナの言う通り、今度の相手は機体の性能やクルーの腕など関係無い、いくら形だけの訓練をした所で相手の能力に太刀打ちできなければ何の意味もない、
「対処法ならあるわ、ただレナちゃん次第になるんだけど……」
「えっ?」
ビアンカが口ごもるとレナは首を傾げた。
翌日、レナとシーラの2人は月に戻るとスクレイア・グループが運営していると言うスポーツジムにやって来た。
ちなみに残りのメンバーはスター・キャッスルで宇宙へ飛んだ。
何故ここで2人だけが特訓なのかと言うと前日の帰り、レナは今度の試合の要となる自分の新たなナイト、スター・ブレイド02―Wのテスト操縦を行った。
しかしナイトと共に生まれ変わった新必殺技『ソニック・シュレッダー?』を使いこなす事ができずにどうしようか悩んでいるとシーラが提案を述べ、ここにやって来たと言う訳だった。
そして着替えを終えるとある部屋へやって来た。そこは普段はエアロビクス教室を開いているのだがシーラが特別に貸し切りにしたのである。
「とっても良くお似合いですわ、」
シーラはレナを見てポンと手を合わせる、
「な、な、な…… 何でこんな格好しなきゃいけないのよっ?」
レナの方は今の自分の姿に顔を真っ赤にして肩を震わせていた。何しろ今レナが着ているのは新体操の青いレオタードだったからだ。ちなみにシーラも緑のレオタードを着てフラフープを持っている。
「やっぱり特訓は形からですよね」
「それはアンタだけの理屈でしょうが!」
「それでは特訓開始ですわ、お願いしま〜す」
「人の話を聞けぇ〜〜っ!」
するとシーラが雇ったインストラクター達が部屋に入ってきた。
レナも諦めると渋々始めた。しかしレナが行うのは普通の新体操ではなく、リボンを2つ、両手で持った一風変わった新体操だった。
ちなみにシーラは横でフラフープを使ってでの普通の新体操だった。今度の準決勝には必要な特訓なのだと言う、
「……何で新体操なのよ?」
最初はそう思ったレナだったが彼女は元々凝り性な性格でいつの間にか練習に熱が入ってしまった。
シーラは格闘技を習っている為に比較的体が柔らかい、練習を始めて5日も経つと2人は凄く上達した。