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スターブレイダ―ズ

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 一方第2試合、スター・ブレイダーズ対クレイジー・ボンバーズの試合の火蓋が切って落とされた。
 ミサイルなどの爆撃兵器を搭載した重量級ナイト『マッド・クライシス』、ミサイルをそっくりそのままナイトにしたような機体で、尾翼には手榴弾に鋭い目付きで白い歯をみせて笑っているようなデザインの紋章が描かれている、
 卵型の形状に大砲が取り付けられたような敵チームの母艦『デストロイア』から5機のマッド・クライシスが出撃、
 スター・ブレイダーズもビアンカ、シーラ、チサトの3人が出撃してバトル・フィールドに突入すると試合開始のゴングが鳴った。

 試合開始と同時にマッド・クライシス達は散開し、搭載しているミサイルやレーザー砲を放ってスター・ブレイド達を攻撃を仕掛けた。
 しかしスター・ブレイド04が先頭に出ると電磁バリアを展開、自らが盾となりミサイルを防ぐとそのすぐ後ろで控えていたスター・ブレイド05が動いた。
「いくよ、プロメテスッ!」
 チサトは後ろに座っているプロメテスに言う、
 実はスター・ブレイド05は後部座席を造ってもらいプロメテスも出撃できるようになった。
 スター・ブレイド05は今までの傷跡が酷く、普通に補強するだけでは済まずに大幅な改造を受け、武装を強化・追加、そして新たな力を得てスター・ブレイド05―V(ヴィクトリー)として生まれ変わったのだ。
 チサトはさっそく新たな力を発動する、壁にある赤いスイッチを押すとプロメテスの座席が下がるとそこにもコックピットがありプロメテスがそれを起動させる、途端スター・ブレイド05―Vが2機に分裂した。そのまま左右に展開するとありったけの武装を放った。
 ちなみに1機のナイトに複数が搭乗するのも分裂して攻撃をするのもルール違反はならない、事前にビアンカがSSB協会に連絡を入れて承認を受けたのだった。これにより弱点だった機動力不足の問題も解消された。
「プロメテス、メガクラッシュ発射ッ!」
 チサトが無線機に向かって言うとプロメテスの乗る05―Vβ(ヴィクトリー・ベータ)に装填されているレーザー・パックがマッド・クライシス達の頭上に向かって放たれた。
 同時にチサトが操る05―Vα(ヴィクトリー・アルファ)がミサイルを放つと、レーザーの雨が発射されて相手の動きが止まると次にミサイルがマッド・クライシス達を爆撃した。
「やった?」
 しかしマッド・クライシスはまだ生き残っていた。
 機能停止になったのは1号機と3号機と4号機だけで2号機と5号機が爆煙の中から飛び出してチサト達を攻撃しようとした。しかし……
「リフレクト・ビット発射っ!」
 途端スター・ブレイド04の2枚の両翼に4つ、尾翼に2つ装填された白い円盤状の艦載機が発射、電磁波を帯ながらマッド・クライシス2号機と5号機の周囲に張り付くと球体状のバリアとなって敵の動きを封じ込めた。
 これは身を守る為のバリアでは無く相手の攻撃と動きを止める為のバリアだった。
 うかつに撃ったりすればミサイルなら暴発し、レーザーなら屈折して自分に跳ね返ってしまうと言う物だった。
 これが新しい04の新たな力、その名も『リフレクト・ビット』だった。
 大した変化は無いが攻撃力が低い04の弱点を克服してスター・ブレイド04―A(エース)となったのだ。
「ビアンカ様っ!」
「任せて!」
 ビアンカはコロナ・バスターのスイッチを入れる、主砲のエネルギーが急速にチャージ、その速度は従来の3倍の速度だった。
 それはコロナ・バスターを三重砲にする事により単発では威力と射程は劣るが連射が可能、しかも3つ同時に発射すれば本来のコロナ・バスターと同じ威力を誇るのである、
 本来装備されていた武装全てを切り捨て代わりにバッテリーを複数装填、サブ・ウェポンも遠距離用レーザー・ライフルだけとして機動力も形状を少し変える事で僅かに上がったスター・ブレイド03―F(ファイア)となった。
「スパイラル・コロナ・バスター発射ッ!」
 三重砲から発射されたコロナ・バスターは螺旋を描き1つのエネルギーとなって2機にマッド・クライシスを飲み込んだ。
 試合かしいから25分後、試合は終了しスター・ブレイダーズは準決勝進出を決定したのだった。

 スター・ブレイダーズが勝利したと言う、知らせはレナを通してホークに伝えられた。
 ホークは無線でシンジに知らせた。
「やったぞ、一回戦突破だ!」
「そ、そうか……」
 シンジはホッと胸を撫で下ろした。
 画面越しに顔色が悪いと分かるとホークは練習中断を決意した。
「ええっ? まだやれるぜ!」
「いや、マニュアルを見せてもらったが01―Xは他のナイトと比べて非常に体力を消耗する、君の意思とは関係なく体の方は限界のはずだ。焦ってはいけない」
 ホークに説得されてシンジは渋々と練習を取り止めスター・キャッスルに戻ると仲間達と合流した。
「お兄ちゃん、私達勝ったよ!」
「無線で聞いた。よくやったな」
 シンジは頭を撫でるとチサトは喜んだ。
「次の試合だけど、私達はダンシング・バタフライと戦う事になるわ」
「えっと、確か高速タイプのチームでしたよね?」
 するとビアンカは自分達の前の試合を録画してあった映像をモニターに写した。
 まずはグレート・ミノタウロス、機体の船首に牛の角のような突物が付いたブラウンの装甲、最大火力が売りの主砲、マキシマム・キャノンを装備、尾翼には両刃の手斧に鼻息の荒い牛の重なった紋章がペイントされたナイト『キング・ホーン』が3機、
 対戦相手であるダンシング・バタフライは羽が鉄扇になった蝶々の紋章が描かれたナイト『マスカレイド』だった。主だった武器は無いが特殊加工された翼とミサイルを2つ装備した今まで見て来たナイトの中で1番小柄なナイトが同じく3機で出撃した。

 戦闘開始と同時に先に動いたのはダンシング・バタフライだった。3機のマスカレイドが敵に向かって突進する、
 キング・ホーンは早速マキシマム・キャノンを発射するがダンシング・バタフライはあっさり回避、敵に向かって飛んでゆくと1号機と2号機が巨大な翼でキング・ホーン2号機を切り裂いた。
 一方マスカレイド3号機はと言うと残りのキング・ホーン1号機、2号機の攻撃を回避しながら周囲を旋回、回避能力を利用してでのエネルギー切れを待つ作戦かと思いきや、よく見るとマスカレイド3号機から銀色の粉のようなものが噴出してキング・ホーン1号機、3号機を包み込んだ。
 途端キング・ホーンの様子がおかしくなり主砲が放たれると全く別の方向に放ってしまったり前に進んだり後ろに進んだりと理解できない行動に出てしまった。そこへマスカレイド1号機、2号機がやって来て3機で残りの敵機の2機を破壊した。
「何だったの今の?」
「あの粉は光子分解粒子…… 早い話がチャフみたいなものだと思ってもいいわ」
 チャフとは電波を反射させる物体の事で相手のレーダーを狂わせる事ができる防御兵器の事で、ダンシング・バタフライが使用したのはその応用で作られた粒子の事でこれが機体に触れると電子機器が狂い、レーザーなどの光学兵器もかくさんしてしまうのである、
作品名:スターブレイダ―ズ 作家名:kazuyuki