スターブレイダ―ズ
「この間は離れなきゃ行けなくて今度は近付けかよ…… ったく…… ん?」
するとシンジはある事を思いついた。
途端はスター・ブレイド02への無線を開いてレナを呼びだした。
「レナ、今すぐ俺の後ろに回れ!」
『えっ、どう言う事?』
「いいから言われた通りにやれ、次はチサト!」
『は、はい?』
画面を切り替えると思わずチサトが丁寧な言葉で出る。
「俺が合図したらミサイルを発射しろ!」
『無理だよ、相手はミサイルの射程距離の外だもん!』
「違う、俺達に撃てって言ってるんだ!」
『ええっ?』
これにはレナも驚いた。
『アンタ等々おかしくなったの?』
「ちげーよ、オレに考えがあるって言ったんだよ、合図したらレナが後ろから俺に向かって突進しろって言ってんだ! そしてチサトは迷わず撃て!」
『で、でも……』
「俺を信じろ、それとも俺達の夢が潰れても良いのか?」
その言葉にチサトはこれまでの事を思い出した。
母の形見のスター・ブレイド05を受け継ぎナイト・クルーになった。
そしてレナと3人で新しく始めたスター・ブレイダーズにビアンカも入り皆でクラスチェンジ・バトルに出ようと決めたのだった。
今負けてしまえばクラスチェンジ・バトル出場はおろか公式戦も当分できなくなってしまう。
「撃てチサト!」
『うん!』
本来ミサイルを撃つには標準をロックしなければならない、ホーミング(追跡)機能が付属している物はあれど数に限りがあり、手動で放つとなるとクルーの腕が物を言う、チサトは訓練を重ねて命中精度だけならビアンカの次に正確になった。
『メガ・クラッシュッ!』
発射ボタンを押しその途端にミサイル・パックが火を噴いた。
するとスター・ブレイド01からレーザー砲が放たれてミサイルが爆発、誘爆すると01と02が爆煙に包まれた。相手チームも何事かと一瞬手が止まる。
「うおお―――っ!」
爆煙の中からソニック・シュレッダーを展開した02に後ろ押しされながら01が飛び出した。
02の加速能力を加えた01は一直線にマッド・ウィング3号目掛けて飛んで行った
マッド・ウィング3号はレーザー・ライフルで迎撃しようとしたがスター・ブレイド01のレーザー砲の方が早くマッド・ウィング3号を攻撃、敵が怯んだ。
「喰らいやがれ!」
シンジは操縦桿を引くと01が急速浮上、後ろにいた02がさらに加速、マッド・ウィング3号に向かってゆく、そして光の刃で体当たり、一気にライフが0となりフィールド・アウトした。
「レナ、そいつ等を引っ掻き回せ!」
『了解よ!』
レナは操縦桿を振るう、大きくUターンして05を攻撃しているマッド・ウィング02を攻撃しようとする、しかしその途端エンジンが停止した。
『えっ、嘘っ?』
ソニック・シュレッダーの弱点はここにあった。
制限時間は1分で、しかも接近戦でしか使えない、しかも一度使用するとシステムが一時的にフリーズしてしまうのであった。
身動きが取れなくなった02にマッド・ウィング2、4、5号機が標準を向けた。
「させませんわ!」
するとそこへシーラが割って入る、
『何してんのシーラ、逃げて!』
レナが無線でシーラに言う、
「いいえ、逃げません」
するとシーラは全てのシステムを起動、途端スター・ブレイド04の機体から発せられた白い光が球体状に展開され02ごと包み込んだ。
「リフレクト・シールドっ!」
光の壁は3体のマッド・ウィング達から放たれたレーザー・ライフルは光の壁に阻まれ押し留まる、
「はっ!」
シーラが操縦桿を捻ると04が反転、バリアに抑えられていたレーザーが屈折して放った本人に向かって放たれた。
自分達の攻撃を跳ね返されマッド・ウィング2・4・5号機はライフを減らしてバランスを崩した。
そしてその一瞬の隙を狙う1つの視線があった。
ビアンカは手元の一番大きな赤いボタンを押した。
「システム起動!」
03の操縦席の後ろがスライドすると中から通常のレーザー砲よりも3倍ほど大きな大砲が競りあがった。
これがスター・ブレイド03最強の武器、コロナ・バスターだった。
「エネルギー充填開始!」
砲口に紅蓮の光が集まり巨大なエネルギーがチャージされた。
ビアンカの操縦席に自動的に対閃光シャッターが展開され周囲が暗くなるが目の前にスクリーンが浮かび上がり半径2000キロ四方の様子が3Dビジョンで映し出される、
敵は赤、味方は青く表示されると操縦桿が中央から左右に分かれると赤いコードが繋がった拳銃型の発射スイッチが現れ、手に取り画面に向かって標準を向けた。
しかしそれを黙ってるスナイパー・コンドルではなかった。
スター・ブレイド03を阻止しようと目の前からマッド・ウィング1号機がレーザー・ライフルの標準を向けた。
だがその時、スター・ブレイド01がエンジンを全開にして突っ込んできた。
「待ちやがれぇ――っ!」
スター・ブレイド01がなりふり構わず突進してマッド・ウィング1号と激突、そのまま一直線に押し出した。
その反動でレーザー・ライフルが発射されてしまったが照準がずれてしまいスター・ブレイド03はノ―ダメージで済んだ。
『シンジ君っ!』
ビアンカからの無線が入る、
「ビアンカさん、俺が合図したら迷わず撃ってくれ?」
シンジの考えている事はビアンカは理解した。コロナ・バスターの射程内にこのマッド・ウィング1号を放り投げようと考えていたのだった。
『分かったわ。お願いね!』
「まかされました!」
それだけ言うとシンジは力強く頷きエンジンを全開にし、射程ギリギリのところまで飛んでくると急ブレーキをかけた。
「今だっ!」
ブレーキの反動でマッド・ウィングは吹き飛ばされた。
その瞬間を狙ってビアンカはコロナ・バスターの引き金を引いた。
「コロナ・バスター、発射っ!」
スター・ブレイド03から真紅に輝く高密度のエネルギー波が放たれた。
しかし予想外の事が起こってしまった。
射程にはスター・ブレイド01も射程に入ってしまったのだ。
「フ、フリーズっ? こんな時に……」
それは02のソニック・シュレッダーを受けながら直進した事でダメージが蓄積、マッド・ウィングとの激突した事により機体に負荷がかかりシステムがトラブルを起こしてしまったのだった。しかも回復までまだ時間がかかる、
『シンジ君、早く逃げて!』
「だ、駄目っス、間に合わないっ!」
計算が狂った事にシンジの額から汗が流れる、いくら人が死なないとは言え目の前に迫る巨大光線にシンジは冷や汗を流した。
『シンジ様!』
しかしシンジの前にスター・ブレイド04が前に立ち塞がる、するとリフレクト・シールドを展開した。
「シーラちゃん、早く逃げろ! 04まで壊れる必要は無い!」
『いいえ! 今度こそ貴方をお助けします。それに私はシーラではありません、私は……』
シーラは静かに息を吐くと肩の力を抜くと大きな瞳をさらに大きく見開いた。
『マスクド・フェアリー三世ですわ!』
すると再び02の時に使用した技を再び使った。