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舞うが如く 第四章 13~14

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 会津藩では新政府軍を迎え撃つために、
軍制改革を実施して、藩士を年齢別に再編成しました。
16、7歳の少年たちで結成されたのが「白虎隊」ですが、
あくまでも予備部隊としての位置づけでした。
 八重の隣家に住む悌次郎も、白虎隊士となり、
八重に射撃の技術を教わりました。



 また、江戸藩邸で生まれ育った中野竹子と、妹の優子の姉妹は
その美貌と武術の腕前ぶりに、会津へお国入りするとともに、
たちまちにして城下で大評判になりました。
 その3人が、若侍の実家で寛ぐ琴のもとへ、
そろって顔を出しました。
ともに、義経袴に草履ばきといういでたちです。


 「本日はお願いが有りまして、
 ともどもに、参上いたしました。」

 それぞれ3人の顔を見回しながら、
琴が、にこやかに立ち上がります。



 「伺わずとも、
 ご用件ならば、承知をいたしました。
 そのいでたちでお越しとあれば、
 是非ともに、一手の指南でありましょう?」



 3人が、それぞれに薙刀を手にしていたのです。
支度を整えた琴が庭の中央に進み出ると
ゆったりと構えたまま、やがて小太刀を手にしました。



 「不作法なれど、
 お3人さま、同時にお相手をいたしまする。
 どうぞ、いつでも遠慮なくお打ち込みくだされ、
 当方は小太刀にて、
 お相手をいたしまするゆえ。」



 一瞬たじろいだ3人ですが、
互いに顔を見合わせた後に、琴を中心に、
三方に距離を取り、じっくりと取り囲みます。