小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

舞うが如く 第四章 7~9

INDEX|6ページ/9ページ|

次のページ前のページ
 



 通されたのは、木の香も鮮烈に香る
完成したばかりの、高い天井を持つ謁見所でした。
待つほどもなく、若侍にを片手に引かれて、山本覚馬があらわれました。
思いのほかに小柄で、すでに両目は閉ざされていました。


 「長崎で診てもらいましたが、
 すでに手遅れであるとの見立てにありました。
 今はこの者が、わしの眼の代わりにござる。」

 着席するとともに、新式の西洋銃が差し出されました
見えぬはずの目で、山本覚馬が琴に向かって身を乗り出します。


 「なるほど、噂にたがわぬ美剣士にある。
 我が妹、八重(やえ)と同じ匂いが漂よいまする。
 しかし沖田殿、
 このお方も、なかなかに気丈であろう。」



 琴が苦笑しながら、沖田を覗います。
沖田は横をむいたまま、会話に介入するそぶりすら見せません。



 「これは、失礼をした、
 頼み事と言うのは、この新式の連発銃のことである。
 これを、会津の八重に届けてほしい。
 このご時世です、どこで襲われるかもわからぬゆえ、
 偽装はいたしますが、これ見よがしに警護を付けるわけにもいかぬ。
 そこで新撰組いち腕が立つとという、
 琴殿に白羽の矢を立てたという次第である、
 引き受けてくれるかの。」


 「新式の西洋銃ですか」


 「左様、これが、これからの会津鉄砲隊の新装備になる。、
 数百丁もの護衛となるが、いかがかな?」


 断る術もなく返事に困る琴に、
さらに山本が言葉を続けました。