怪しい喫茶店~スピンオフストーリー 第二章
俺が何故!あのバカどもで、諦めの悪い!メガネ、オヤジ、チビの三バカトリオに追い掛けられているのかと言う、説明を今こそ、今こそしなくてはいけない時が来た。
なんてね!と言うのも、今、正に俺の目の前に?と言うか正確にはエロエロボンテージファッションの美女こと香緒里さん越しの美少女!俺と、あの三バカトリオも通学している同じ男女共学の高校の中でも、全校生徒の中でも上位に位置し、高校2年生の全女子生徒の中でも殆どトップクラスの美少女が、俺の名前をフルネームで呼び、しかも呼び捨てにする女子高生こと藤崎美香子だったんです。
そしてそして、その2学年全男子学生の憧れ!の存在であり、ま、ご多忙に漏れず、あの出ました三バカたちも、密かにって、大大的に崇拝し、憧れている藤崎美香子と、俺こと山田秀夫との因縁(いんねん)?ではないけど、変な意味での繋がりがあり、
ハッキリ言ってしまえば、俺と藤崎美香子は小・中・高と学校が一緒であり、しかも、かなりの確率で、クラスも一緒になり、今も高校2年生になって、またも同じクラスになってしまい、当然、なのか呪いなのか?あの三バカたちとも同クラスになってしまっていたのだ。
それだけでは、なにも事件と言うか?事件でも無いか!今まさに迫りくる三バカの追跡との因果も理由も何もないのだが、ま、次のステージがあったんですね。
と言うのも、俺と藤崎美香子って、かなり微妙な関係!と言うか?ま、先程も説明した通り、小・中・高と学校が一緒だから、所謂、お互いの色々な学校内でのバカなエピソード!と言っても基本的に一方的に俺のおバカなエピソードが多いんだけど・・・
俺は、基本的にって!自分で言うのもなんだが、学校の勉強が出来るタイプでは無くて!
勉強も余り好きではなくて!
所謂、クラスの中でも成績は中(ちゅう)の下であり、その辺はあのおバカな追跡者たち?三バカと同じで、今のクラスの中でも、赤点スレスレの正に「瀬戸際の魔術師」と言われるほどの、30点台、40点台を平均点とし、後は追試を免れるべく、レポート提出をし、事なきを得る、そんな生活を高校になっても続けていた。と言うよりも、改善の余地は今も無いっす。
それに比べて?と言うと藤崎美香子にはかなり悪いか!
藤崎美香子は所謂!優等生タイプで、小・中・高とホント!絵に描いたような、マンガに出て来そうな、小説に出て来そうな、頭も良くて美少女な、それも今では超美少女な女子に成長したんですね。ある意味!奇跡的です。
女の子って、基本的に小学校で可愛いと、それは中学校から段々とヤバくなってきて、高校時代と同時に、あの可愛かった少女は見る影も無くなる!ことが多々あるから!
俺も、そうなるんだろうな~このウザイ!そして、担任や他の先生たちに圧倒的に受けがイイ!先生達からも人気者な藤崎美香子の人気の陥落(かんらく)と、その美貌の失墜を、密かに、でもないけど言いながら、殆ど多勢に無勢だけど対立していたんですね。
多分!当の藤崎美香子は張り合っているなんて、全く持って、そんな感情を一ミクロンも持っていなかったと思うし、基本的に、基本的に俺は藤崎美香子に何一つ勝つことは出来なかったような?
が、それが、それがあったんですね!
勝ったと言うか?何と言うか!
それが、まあ、その小学校では図工の時間?っていうのかな。中学に入って美術の時間ですね。
ま、そんなダメダメな俺でも、と言っても一応、なんでもそつなく勉強もスポーツも成績は中の下なんだけど、モノ作り?と言うか、絵を描いたりする創造物に関しては上だったんですね。
そして、まあ、藤崎美香子は下手では無かったけど、小学校時代は中位、で、中学校で中の上になったのかな!
ま、このことは、今度またと言う事で、そんなこんなで、俺と藤崎美香子は長い長い学校生活を共有し、藤崎美香子は俺のおバカぶりを数多く目撃し、俺は藤崎美香子の尋常ではない男子の人気振りと、頭の良さと!可愛いから美少女への変身を目撃していたんですね。
ま、そう書くと、俺も藤崎美香子のことを好きだったのかもね。
おっと、そんなセンチなことを暴露ってる場合ではないです。
何故!何故?俺が、今、現在の巻き込まれ事件?追われて飛び出てジャジャジャジャ~ンっと、懐かしのギャグ状態なのかと言うと、あれはホント最近の話しなんですね!
原因、それはホント些細なことなんだけど!
藤崎美香子が、突然!そう、突然、俺に対して、声をかけ、彼女が高校生に入学した時から入っている塾!英才塾?に突然誘われて!
「私の通っているBISの塾の試験を受けたら?」
と、やや、ぶっきらぼうに、やや、誰かに頼まれたような感じで、イヤイヤ感覚で話しかけて来て、それがモノの見事に、今、俺の背中越しに、あの噂の怪しい喫茶店に西部劇風に近付いてきて、あっ、今、微かに、あの喫茶店のお洒落なんだか!ダサいんだか!分からないセンスのドアベルがけたたましく、やっぱり鳴り響いてきたんだけど・・・
そうです、その三バカと俺を含めてのおバカなバカ話で盛り上がっている最中に、突然、藤崎美香子が声を、それも俺に対して、一方的に声をかけて来たから、一瞬で、その場のおバカな会話は凍りつき、俺も含めてだけど、近くに居た他の中(ちゅう)の下のおバカグループな男子たちも一斉に会話をストップした。
ある意味、美少女の君臨の威力は凄まじい破壊力を発揮する、らしい。
全ての中(ちゅう)の下の男子たちは、一斉に美少女!それも超美少女で、全校生徒の男性をも射程距離に入れている筈の藤崎美香子が何の躊躇も無く、俺の元に来たものだから、驚くやら、戸惑うやらで、しかも、藤崎美香子は持ってきた、自分が通っている筈の英才塾のBISのチラシを、これまた無造作に、ぶっきらぼうに俺に差し出し、早く受け取れ的に!二弾、三弾と俺にそのチラシを近付けた。
「これって!どういうこと?」
「私も、詳しくは知らないけど、塾の人から頼まれたから!でも、言っとくけど筆記試験だよ!」
「おいおい、おい!ちょっと待って」
「そのチラシの日時が試験日だから、言っとくけど、行かなくて辞退しても一向に構わないけどね」
流石!超高校級の美少女のことはある、クラスの中の下の下々(しもじも)の男子たちの視線を浴びに浴びながらも、一向に臆することは無く、反対にやや挑発する感じで、ツンデレで言えば、ツンツンでドSな雰囲気を多少醸し出した演技?演技でしょう!アレって!な表情と声で圧倒し、あとは、お前はイタリアン美女か~な感じで「チャオ~」なごとく後ろ姿を、ちょっと小ぶりな形のイイお尻をプリンプリンさせながらモデル歩きのように颯爽と歩いて、元いた上玉揃いの上の上なイケてる女子グループに中に帰って行って、もう二度と俺達を見ることは無かった。
そんなことがあって、中の下の下々の男子!自称の何も、ハッキリ言ってイケてない男子たちが三バカも含めて、まるで超美少女の魔法が解けたと同時に、一斉に俺の処に集まり、今までそこに居た藤崎美香子の残り香をクンクン嗅ぐ下々のバカがいたり、
「ああ~このシャンプーの香りはラックスだ!」
と言ったり、
「いやいやツバキだ!」
作品名:怪しい喫茶店~スピンオフストーリー 第二章 作家名:如月ナツ