小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
山本 かの子(偽名)
山本 かの子(偽名)
novelistID. 34002
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

バツイチの娘。~アイデンティティモラトリアム~

INDEX|2ページ/4ページ|

次のページ前のページ
 

社会人になったばかりの【君】。知らない街での生活。
右往左往していただろう。
わかる訳ない、知らない世界あたしには。
知っているフリをして、あたしの価値観を【君】に押しつけてしまった。
遠距離になってはじめての連休。【君】が来てくれるのを待ち望んでいた。
しかし、あたしの期待とは裏腹に
『ごめん、財布なくして行けなくなった』と【君】から連絡が入った。
あたしはおもちゃ売り場でほしいものを買ってもらえない子どものように、
かんしゃくを起こした。
『なんで...なんでどうにかなんないの?』
【君】を執拗以上に責めた。

『ごめんね』謝られるのは好きじゃない。
『だったら来てよ』

がっかりした、【君】に。
『社会人でしょ?なんで財布なくすの?』

その出来事があった直後、ゼミの吞み会があった。
本来ならば行かないあたしは、胡散晴らしに行くことにした。
吞み会の場所まで徒歩...『めんどくさいなー』
タクシー使う距離でもない中途半端な距離さえ歩くのも億劫だった。
『田舎って車ないと本当に不便!!』

お決まりの合図とともに吞み会がはじまった。
『あゞ何この雰囲気...』
『辛気臭い』
『おとなの社交場と大違い、酔っぱらってしまおう』




気づいたら自分のアパートだった。『異臭がする。なんか話し声がする』
ゼミの子たちがなぜか家にいた、ゼミの教授含め。
ゼミの子の話しによると、
【君】の名前を絶叫しながら、おしぼりなどを教授に向かって投げたり、ゼミの子に絡みまくったり...挙句の果ておう吐し緊急外来へ運ばれた。

気づくととその日はもう夕暮れだった。講義時間はすでに終了していた。
というより、あたしの羞恥心が学校へ行くことを拒んだ。
『あゞ、やっちゃったな...』
ゼミの子から心配?あおる?ようなメールが来た。
『大丈夫?』
余計、学校に行きづらくなった。
【君】からの着信音が鳴った。
『昨日は大騒ぎしたそうだねー』
あたし『なんで知っているの?』
君『ゼミの先生からメールきたよ。俺の名前を叫んでいたからどうか連絡してあげてって』
【君】と同じゼミに入ったあたしは、ゼミの後輩でもあった。
あたし『そっか...学校行きづらくなっちゃった。』
君『大丈夫。笑い飛ばしてやんなよ』

なんとも云えない気持ちになったあたしは、ひとり本屋さんへ向かった。
いろんな本を買って今の気持ちを何かで封印したかったのだろう。
翌日学校へ行くと、心配している子もいればネタにするこころない奴もいた。
『あたしはまだ、ネタにさえできる状況じゃないのに』

教授の部屋の扉をノックする。
『先生、先日はご迷惑をおかけ致しました...スミマセン。これ医療費です』
『いや・・・心配したよ。彼となんかあったんだろうねって』
『まあ、はい。スミマセン、失礼します』
それからというものあたしの中で名誉の負傷ともいえるこころの傷になった事件だった。
『あたし、お母さんとやっていること一緒じゃん』
『もう若者と呑むのは自粛しよう』そうこころに決めた、20の初夏。