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ゴーストライター
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百戦錬磨 第三話

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「た、助けてくれ!裏町で変な奴に・・・ぐあぁ!」
携帯で助けを呼ぼうとしていたスーツの男が腕を綺麗に切断され、自分の腕と一緒に携帯電話を地面に落とす。携帯電話は地面に落ちた衝撃で電池パックが本体から外れ、電源が切れる。
「う・・腕が!俺の腕が!」
男は自分の切断された断面を見ながら狂ったように叫ぶ。
「お前の役目はそれまでだ。それ以上、余計な言葉を言われたら、俺の予定が狂っちまうだろうが」
その言葉と同時に刀がシュンっという風を切る音を残しながら振り下ろされる。
「ぐっ・・・」
どさりと、筋肉質の男が路地裏にゆっくりと崩れ落ちる。路地の周辺には他にもたくさんの男の死体が転がっていた。
転がっている男たちに共通しているのは全員がスーツを着ていることだろう。この裏町でスーツを着ている人間はいない。ということはこの男たちは全員、向こう側から入ってきた人間たちということになる。
おそらく、この男たちは先ほど和斗の目の前に現れた男たちなのだろう。かなり屈強そうに見えたが、その男たち全員がここで血まみれになって死んでしまっている。数十人の男たちの血液で通路が赤く染まり、壁にも返り血が飛散して、むしろ、この周囲で赤くない場所などないほどに真っ赤に染まっている。
そんな中に、一人、返り血を浴びながら佇む人間がいた。
その人物もまた、外套を羽織り、外套についているフードを被って顔が見えないように隠していた。だが一つだけ違うのは、その外套が真紅であるというところだろうか。
男たちの血よりも赤い紅蓮の真紅。そんな外套を纏っている。
その人物の手には鮮血の滴れる刀が握られており、切っ先を下に向けていると、刃を伝ってきた血が地面に落ちる。
フードを被っている人物は刀を虚空で振って空を切り、刀に付着していた血液を飛ばし、刀を鞘に納めた。
「・・・さて・・・これで俺の役目は終わり・・・・か」
そのように呟くとそのまま去ってしまった。