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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十回・参】タリラリタララ

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「京助は大事だっちゃし…好きだっちゃよ」
固まっている浜本に緊那羅が笑顔で言った
「私は京助を守りたいんだっちゃ」
おそらく聞こえてはいないであろう放心状態の浜本に緊那羅が言う
「…そ…っか…はっは~」
しばらく無言だった浜本があからさまな作り笑いをして顔を上げた
「アナタは京助が嫌いだっちゃ?」
緊那羅が聞く
「俺? …は…ってかあの…俺さ【浜本】って名前」
浜本が自分を指差して言った
「浜本…だっちゃ?」
緊那羅が言うと浜本が頷いた
「結構京助と一緒にいたじゃん?」
浜本が苦笑いで言う
「そう…だっちゃけど名前聞いたことなかったんだっちゃ; 浜本…もう覚えたっちゃ」
緊那羅が笑顔で言った
「…っ…の…」
顔を赤くした浜本が顔をそらした
「…あのさ…ラムちゃん…」
少しためらいながら浜本が自分のポケットに手を入れた
「何だっちゃ?」
緊那羅が返事をした
「…写真とらせてくんねぇ?」
そう言いながら浜本がポケットから赤いデジカメを取り出した
「写真…って…このくらいの四角い絵みたいのだっちゃ? こう…ぴぃすとかしてる…」
緊那羅が前に悠助から聞いた【ピースは写真の時のポーズ】という話を思い出して指を二本立てた
「そうそう!! …でもピースはしないで欲しいんだ」
浜本が緊那羅の真似をして指を二本ピースにして言う
「え…しなくても写真とれるんだっちゃ?」
緊那羅が少し驚いた顔で浜本を見る
「え…うん; そうだけど…ラムちゃんもしかして写真撮ったことない…?」
浜本が聞くと緊那羅が頷いた
「そっか…そういやラムちゃんって別なトコから来てるっていってたよな…」
浜本が祭りの時に起こった出来事を思い出したのか緊那羅を見ながら呟いた
「なら丁度いいや! 一枚とらせてくんね?」
浜本がデジカメを構えた
「え…っ;」
緊那羅が少し後ずさる
「大丈夫大丈夫一瞬だから~…ハイ! 笑って~」
「わっ;」
ピピンという音と共に明るく光ったフラッシュに緊那羅が驚いて目を閉じた
「あ~…; 目ぇ閉じちゃった~;」
浜本がデジカメの画面を見て言った
「…なんなんだっちゃ…?;」
恐る恐る目を開けた緊那羅が聞く
「写真とったの。ホラ」
浜本がデジカメの画面を緊那羅に見せた
「え…私…?; でも悠助の写真は四角い…薄かったっちゃけど…」
緊那羅が手で四角を作って言った
「コレを現像したら四角くて薄くなるの」
浜本が笑って言う
「…へぇ~…」
緊那羅が再びデジカメの画面を覗き込んだ

「俺写真撮るの好きでさ~…景色とか結構撮ってるんだ」
「そうなんだっちゃ?」
浜本が何気に言うと緊那羅が顔を上げて浜本を見た
「写真って一瞬しか一回しかないものを残しておけるじゃん?」
浜本がデジカメを構ながら言う
「昔とか…だっちゃ?」
緊那羅が聞く
「そう! もう二度と戻れない時を残しておけるしさ…俺はビデオとかより写真派」
ピピンという音がしてまたフラッシュが光った
「俺は好きなものをこうして写真に収めてンだ」
浜本が言う
「好きなもの…?」
「そう! 好きな…」
緊那羅が聞くと浜本が言葉の途中で止まった
見る見る真っ赤になった浜本をきょとんとしたまま見る緊那羅
「好きなものを写真にとるんだっちゃ?」
緊那羅が聞くと意味もなく浜本が何度も頷く
「じゃあわた…」
「違うんだッ!!;」