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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十回・参】タリラリタララ

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ぐきゅるるる~…
「ぅあ”~~~~~~~~~~~~~…;」
机に突っ伏して京助が腹を押える
「何? 今日は弁当ナシか京助」
浜本が京助の頭を教科書で叩く
「緊那羅また帰ったんか?」
隣の席の坂田が聞く
「…いや…いるけど…起きてこなかったんだよ;」
京助が頭だけを動かして言う
「喧嘩か?」
浜本がしゃがんで京助の顔を覗き込んだ
「…なんもしてねぇぞ俺;」
しばらく何かを考えた後京助が言う
「…なぁ京助」
「あ?」
浜本が意味深な顔で京助に耳打ちしてきた
「ラムちゃんて…」
「京助---------------!! お客さん連れてきてやったっぴょん------------!!」
ガラッと戸が開いてリコーダーを片手に持った南が大声で言うと教室中が南の方に注目した
「ホレ」
南の後ろから顔を出した中島が手招きすると京助へのお客=緊那羅が現れた
「弁当!!」
ガタンっと立ち上がった京助が戸口へと走る
「ごめんだっちゃ~;」
緊那羅が謝りながら弁当を京助に手渡す
「寝坊したんだって? ラムちゃん」
南がリコーダーで肩をトントン叩きながら緊那羅に聞いた
「うん;」
緊那羅が苦笑いで答えた
「…どうせアポペノペの意味とか考えてたんじゃねぇのか?」
弁当に付属されていたおにぎりのアルミを剥がしながら京助が言う
「え?; なんでわかるんだっちゃ?;」
緊那羅が聞く
「…マジか;」
冗談で言ったらしい京助が呆れる
「よかったでちゅねー京助君昼休み中に御飯届いて」
坂田がやってきて京助の頭を撫でた
「は~…いただきますおにぎりさん…」
京助が目を閉じて言うとおにぎりにかじりついた
「うらやますぃーな京助~」
どこからか戻ってくる生徒がからかい気味に京助達に声をかけていく
「彼女に弁当届けてもらってさ~」
「…彼女?;」
掛けられた言葉に京助が緊那羅を見る

「かの…じょかぁ」
中島が同じく緊那羅を見る
「まぁ…見えるよな」
坂田が頷く
「へ?;」
マフラーを巻き直していた緊那羅が首をかしげた
「すっかり【京助の彼女】で定着だねぇ【かのじょ】で」
南が彼女のじょの部分を強調して言う
「いんでない? じょでこの際」
「んだな」
中島が言うと南と坂田が頷いた

「箸折れると思うけど」
本間が雑誌をめくりながら言う
「なっ…;」
その本間の言葉に阿部が驚く
「彼女ねぇ」
本間が言うと阿部がぴくっと反応した
「…何よ」
そしてジト目で本間を見る
「別に?」
そんな阿部に本間がにっこりと笑顔を返した

「今日五時間だから待ってりゃいいじゃん」
帰ろうとしていた緊那羅に坂田が声をかけた
「あ、そうそうそうしなよラムちゃん! 俺ら次音楽だから教室にいないからさ~ストーブもついてるしあったかいっちゃーん」
南がリコーダーを軽く回しながらいった
「え…; でも…;」
緊那羅が手づかみで弁当を食っていた京助を見る
「いんじゃね?」
ペロっと指を舐めた京助が言う
「一時間待ってられるなら」
くいっと口を拭った京助が教室の中に歩いていった
「俺の席ストーブのすぐ近くだからさ~」
京助を目で追っていた緊那羅に南が言う
「見つかっても別に怒られんの京助か俺等だし」
中島が言う
「でもホラ、祭りん時結構顔知れてるから…」
坂田が言った
「戦う彼女として」
「はっ!?;」
坂田の言葉に中島が笑いながら付け足すと緊那羅が素っ頓狂な声を出した