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舞うが如く 第3章 1~3

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 清河が、平然と対応します。
 
 「お聞き及びもござろうが、この度、
 例の生麦事件では、英国が強硬な談判を持ちかけて、
 次第によっては軍艦を差し向けるとまで
 脅迫いたしている非常事態です。 
 我等はもとより、異人を払う急先鋒にと存ずるにより、
 まず横浜に参って鎖国の実をあげ、
 攘夷の先駆けをいたさん所存でござる」



 芹沢が、もってのほかと反論します


 「これは清河氏のお言葉とも存ぜぬ。
 我等が承るに今だ、天朝よりご沙汰無きのみか、
 将軍家からも東下の命令もない。 
 先駆けとは申せ、
 そのうえにても決して遅くはござるまい。
 それとも、しいて江戸へ立たれるというのであれば、
 我等同志13名だけは、
 京に残り申す。」

 とキッパリと断わりました。
清河は、怒り心頭のままで「お勝手に召されい」とばかり、
激しく畳を蹴って席を立ちます。

 芹沢たちは、その足で浪士組の責任者・鵜殿鳩翁を訪ねます。
委細を話すと、鵜殿も芹沢らの意見に同意して、
「その次第は拙者から会津公へ伝達する」ということとなり、
京都守護職である会津藩主・松平容保からは、
「この13名は当藩で預かる」という返事が返ってきました。