小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

舞うが如く 第3章 1~3

INDEX|5ページ/10ページ|

次のページ前のページ
 



ちょうどこのころ、、文久3(1863)年3月には、
将軍・家茂が上洛して、二条城に入る予定になっていました。
同時に江戸では、幕府の外国奉行が
生麦事件の代償についてのイギリスからの強硬な談判を
持て余していました。

 そのイギリス側からの条件とは、

①島津久光を引き渡す。
②多額の賠償金を差し出す。

 上記いずれかが実行されない場合は
軍艦を差し向ける、というものです。
判断に窮した外国奉行は、上洛中の将軍の決裁を求めるために、
江戸より早馬が一行を追いかけたともいわれています。



 これを伝え聞いた清河が、時期こそ来たれりと乗じ
この機会をもって江戸に帰って
事を挙げようと計りはじめました。


 清河はさらに、朝廷に対して
2回目の建白書も、上奏します。
その内容は、「外国を拒絶される上は、関東において、
いつ戦争が始まるかもわからないので、速やかに関東に下り、
攘夷の準備のため、我等・浪士組を
勅命部隊として差し向けてください・・・」
という内容のものです。


 それを伝え聞いた芹沢が、烈火のごとくに怒ります。
同宿の12名、新見・山南・平山・藤堂・野口・平間・近藤・土方・沖田
・永倉・井上・原田らを呼びよせました

 「おのおの、清河がこの度江戸へ帰ると申すが、
 我等、京に花を見に参り申したわけではござらぬ。 
 尽忠報国攘夷の目的を貫徹せぬに、
 このまま東下するとは遺憾に存ずる。
 拙者、これには不同意でござる」

 言い終わらぬうちに、一同も口を揃えて
「もちろん江戸へ帰ることは不承知でござる」
といきり立ちます。
芹沢と近藤たちがは清河のもとへ押しかけて、
帰還の真意を問いただします