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舞うが如く 第3章 1~3

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 ようやくに、清河のたくらみを察知した幕府側からは、
浪士組頭・板倉勝静より芹沢らに向けて、密命が下されました。
幕府によって集められた浪士組を、朝廷の手先部隊に
鞍替えしようというこの陰謀を察知した幕臣から、
ついに、清河への暗殺指令がだされたのです


 しかし清河の同志もうすうす感づいており、
清河を警護するようになりました。
芹沢たちも、手の下しようがありません。



 そんなある日、清河が、
浪士組取締役の山岡鉄太郎と2人だけで
土佐藩邸へ出かけることが芹沢の耳にも入りました。



 好機逃すべからずということになり、13名は二手に分かれ、
芹沢は新見・山南・平山・藤堂・野口・平間の6名とともに四条堀川に、
近藤は土方・沖田・永倉・井上・原田の5名を同行して仏光寺堀川
で清河の帰りを待ち伏せます。



 夜も更け、人通りも少なくなった頃、
清河と山岡が、四条堀川を通りかかました。
これを見た芹沢が、清河の背後から抜き打ちにしようと近寄りますが、
山岡の懐中に御朱印があることに気がつきました。



 御朱印とは、将軍家から浪士組取締役に与えられたもので、
そこには「道中どこにても兵を募ること苦しからず」とあり、
山岡は江戸出立の時からビロードの袋に入れ、
これを肌身はなさず持ち歩いていたのです。

 御朱印に剣をかざすことは、
将軍家に敵対するのと同じ意味を持つと、当時の武士達は考えていたため、
芹沢は、ついに剣を抜かずに終わります。